ウェルシュ・コーギーの約43%が

遺伝的因子を持つ『変性性脊椎症(DM)』。

朝日新聞  2015年5月30日  「ペットとともに」の

記事を目にしたことから、

先代わんこがコレかもしれないと思い始めた。

因子を持つ子が、みな発症するわけではない。

記事からそう知ったが、多分もう発症している…

そう思うに至る出来事がすでにあった。




この前年、2014年の11月。

散歩中にあの子の後ろ足の爪が折れ、

爪の中に通っている血管から

かなりの出血をしたことがあった。

後ろ足をきちんと上げて歩くことができなくなり、

踏み込む時に爪を引きずるようになって、

それがたび重なったことで爪が折れたという状況…

そう推測した。





爪切りの時、

深爪すると痛がり怒る子だった。

さぞ痛かったことだろう…と思ったのだが、

後ろ足の麻痺の始まりによるものだということを

考えると、痛くはなかったのか…。

でも、慌てたようすは見て取れた。

帰宅後に手当てをしたあと

あの子がこもった部屋のカーペットに、

今も出血の痕跡がある。




この後、ゆっくりと後ろ足の麻痺が進み、

2016年春、ついに自力歩行ができなくなった。

まだ歩けた時点で車いすも購入したが、

どうしても受け入れてくれなかった。

引きずるようになってしまった後ろ足を

持ち上げるためのサポーターを見つけた。

オーダーして3週間ほどで届いた日、

あの子は久々の散歩を

キュンキュン鳴きながら心ゆくまで楽しんだ。

わたしも、嬉しかった。




その後麻痺が前足に及び、

2017年春には

まったく歩くことができなくなったが、

わんこにゃんこ用バギーを手に入れて、

見送るまでの4か月間

春から夏の近所の景色を楽しんだ。

7月までは吠えることができていたが、

しだいに麻痺が呼吸を妨げるようになり、

8月28日、

あの子はわたしの腕の中から旅立って行った。

わたしが仕事から戻って、

わずか1時間後の看取りだった…。





この連休にやっと、

介護に使ったマットや毛布を

手放す気持ちになった。

時間はかかったけれども、

わたしには必要な時間だったと思う。

ありがとう、役目を果たしてくれて。

本当に助けられたよ。

サポーターやバギーを手放す日が近いか遠いか

まだわからない。でも、

わたしはその時を決められると思う。

気持ちの整理は自分でしたい。