いろいろあって本棚から引っ張り出してきたこの二冊の本。
左側、『初めて世界一周した日本人』は考古学者の加藤九祚氏がお書きになった本。
ぢつは自分が「日本人世界一周第一号」津太夫を詳しく知るのはこの本がきっかけでした。もとは漂流記関連の本を読んでて地元宮城の人が世界一周したことを知ってはいたのですが、そのいきさつなどは知る由もない。
そこで図書館の郷土資料室で司書の方に尋ねたら、こちらの本があることを教えてもらった次第。
それまで津太夫という人は決して評価が高いわけではなく、司馬遼太郎に至っては誹謗中傷を『菜の花の沖』に書いていて、あれがきっかけで自分は司馬嫌いになったもので。
しかしこの加藤氏の著作によって、津太夫の悪評は少し払拭されたのではないか、と考えます。
加藤氏とは石巻でお会いし少し話す時間が持てたのは幸い。
右の本『漂流記の魅力』は大作家吉村昭氏の著書。
タイトルだけだと様々な漂流記に関する解説かと思いきや、中身は津太夫のことでした。
これが縁で吉村氏も宮城県にいらっしゃって講演、その場でお話しすることができて有意義な時間を過ごしています。
吉村氏は当方を「このクソガキ」みたいに見下すこともなく対等に会話してくれて本当に素晴らしい方だったと思いました。
いづれも読みやすい内容なのでオススメ。
津太夫たちが世界を一周する軌跡が多くの方々に知られるようになることを祈る。