2016年の秋に奈良県旅行をしたのですが、その時に訪問している猿沢の池。
宇治拾遺物語にある、猿沢の池から竜が天に登るという立札の話の舞台。
法師のいたずらが話題になり、竜を見るために大勢の人が集まったものの、
結局竜が現れることもなかったという説話。
芥川龍之介がこれを題材に『龍』という小説を書いていて、
こちらでは嘘から出た実、とばかり本当に龍が天に昇って行ってしまいます。
芥川龍之介は……なんだお前も龍、辰年関係者か……当時作風がマンネリしていて題材にも困っていたとのこと。もしかすると本当なら元ネタ通りに竜が現れないストーリーを描こうとしていたんではないか、という気がする。
ちくま文庫三巻収録ですが、この三巻の前半は本当に執筆に苦労しているんだなっていうのが続きます。
今年の夏、またしても奈良県旅行だぜ。
般若寺・吉野・十津川など、大塔宮護良親王ゆかりの地を訪問する予定。