そういえばいぞんしょう

 

 

むかしむかし

あるところに

ながいあいだ

アルコールいぞんしょうだった

おとうさんがいましたとさ。

 

そのおとうさんは、

じぶんのおとうさんとおかあさんが

なくなったあと

いぞんしょうが

けろりとなおってしまったんだと。

 

そしてそれからは

まいにちたのしそうに

大正琴を演奏してみせていました。

 

なくなるまで演奏仲間のおばちゃんたちの

にんきものでしたとさ。

 

おしまい。

 

 

 

 

そういえばサギ

 

あるところに

おかねをかりることが

かんたんにできちゃうひとがいましたとさ。

 

あいてのこころをそうぞうしないで

かりることができました。

 

そのひとは

じぶんがひとをだましているという

じかくなんて

まったくないのだと

あとでわかりました。

 

だから

くちはっちょうでいわれると

なんのうかがいもなく

しんじて

かしてしまいました。

 

それはおばあちゃんでしたから

ほんとに

ちょうかんたん。

 

あるとき

これはおかしいぞとおもったむすめさんは

おばあちゃんからはなしをきいて

おどろきました。

 

そして

おこりました。

 

ぷんぷん!

 

ひととおり整理がついてから

むすめさんは

こうおもいました。

 

あのひとは、天性の詐欺師だわ。

でも心底悪気がないから病気ね。

 

そして

みんなでなっとくしました。

 

おしまい。

 

 

 

 

 

もう学んだからね

 

私はそのひとたちから

学ぶことができました。

 

悪意のないそのひとたちですから

世間でいうなんとかサギでなくて

よかったです。

 

そして

うちに憶のおかねがなくて

よかったです。

 

学んだので

世間のこの話題には

ほとんど興味はありません。

 

よかったよかった。

おしまい。