小さい時は意味など考えずに歌っていた。
誰だか知らないけど、みんな知ってる、じゃあ知らないのは私だけ⁉︎
ありえんなあ、と物ごころついてからは思っていた。
成人したばかりのみなさんは、その存在すら知らないかもしれないナ。
栄に出る時、地下鉄で1人の男性が突然会釈して通り過ぎた。
「⁉︎」
会釈は自然に返したが、どなたかはわからなかった。
たしか家の前で鉢植えに水をやっているとき散歩しているご近所さんだと思うのだが…。
いでたちは、頭が冷えるといけないから毛糸の帽子。この時期必須の大きなマスク。
目と体型しか情報がない。
そのある種の戸惑いが私の下げる頭の角度を微妙な位置にする。
笑顔は前から知っている人と初めて会ったと想定する人ととの微妙な作り。
とはいえ結局そんな状況にいる自分がおかしくてマックスの笑顔。
「こんな時 名札があったら ええのにネ」
いつもと同じ、地下鉄に乗りながら書いている。
それにしても、土日エコ切符はお値打ちだ。