
日刊新民報紙、最終号に“詩”が掲載されていましたので、
ご本人の承諾を得て、ここで紹介させていただきます。
おまえという 青春 山畑しげお
おまえは 私の 青春だった
「所沢新聞」を名乗っていたころ
マッカーサーへの公開質問状を転載した
プレスコード違反の罪に問われた
五人が逮捕された
おまえは、発行禁止になった
「平和の力」と名を変えて 発行を続けた
それも 発行禁止になった
そして 又 名前を変えて 発行を続けた
私も その中に 居た
逮捕されるのを気遣いながら
まるで夜盗のように 配達を続けた
あの夜のように
ふたたび アメリカ兵が 襲ってくるのではないか
そんな おののきを抑えながら
謄写印刷を続けた
軍事裁判で、報道の真実は 勝った
全員が 無罪になった
しかし 発行は 非合法化された
昭和27年 アメリカとの講和条約が締結された
市民に 守られながら
おまえは「所沢民報」から「日刊新民報」へと
成長していった
六十年が過ぎた
歴史から学んだ「平和を愛し、真実を報道する」を
社是として
おまえは 頑張り続けた
これでも紙かよ と言いたいほどの
埃色の うすっぺらな ざら紙に
ガリ版刷りの
占領軍にも屈しなかった頃の おまえを
今 手にしている
私は 私の心にも ピリオドを打つ
おまえが 私の 青春として 息づいているように
活躍してきた おまえは
市民の心に あたたかく 包まれ続けていくだろう
ふるさと所沢の
くらしの中の さわやかな 木漏れ日となって
光り続けていくだろう
(元所沢市議・元日刊新民報編集次長)
あらためて、日刊新民報のみなさま、ありがとうございました。
そして、お疲れさまでした。
↓日刊新民報社・社屋 (2012年3月撮影)
