爽やかさとは程遠い。
気持ちもぼんやりと用事を済ませて歩いていた。
ふと鼻腔をくすぐる香りにハッ
として、歩みを止める。反射的にその甘い香りの主を探した!
目に飛び込んできたのは小さな花を一身に咲かせたキンモクセイ
。主を発見し、ぐっと気分が上がる。いま一度、香りで胸をいっぱいにしてみる。
無意識のうちにキンモクセイの前でカメラを向けた。
「そうだ、これが喜びなんだ」
気づきに再びハッ
とする。何が起きたわけでもなく、
何をしたわけでもない。
ただ美しさや心地よさを感じること。その喜び。
あるがままの喜び。
そんな言葉が浮かんできた。
曇り空。
世界は美しさで満ちている。
こころは晴れやかにそう感じた。
