NICUの医療チームメンバー①RT

 

 

オリエンテーションを終えて、病棟で働き出して驚いたことがある。

アメリカには医療職にたくさんの細分化された職種があって病棟に本当にいろんな人がいる。

NICUはまだ少ない方らしいが、それでも日本から来た私には驚きがいっぱい。

 

 

 

日本のNICUでは医師と看護師、たまに看護助手(ほぼ掃除や物品補充、ベッド周りのこと)でほとんどの業務が閉じているのではなかろうか。少なくとも私が助属していた病棟はそんな感じで、全ての業務が看護師の仕事だった。呼吸器の準備も後片付けも、保育器のそれらも、引いては病棟で使用する物品の発注在庫管理も看護師の仕事だった。

 

 

それと比べてアメリカはどうだろうか。

まず、呼吸器に関して。なんと専門職のRT(Respiratory therapist)と呼ばれる人たちがいて全部やってくれる。衝撃。時間のかかる回路の組み立てや使用前のチェック、CPAP/SiPAPの装着やマスク/プロングの交換、加湿水の交換などなどもやってくれる。

呼吸器を変更したい時、たとえば抜管の時なんかは彼らを呼んで、次の呼吸器を準備してもらう。そして使用済みの呼吸器は持っていって片付けてくれる。助かりすぎる。日本にもぜひ資格として確立して全てのICUに呼吸器担当の人がいればどんなに助かるだろう。

 

 

ただ、多分それのせいでかびっくりするほど、ベッドサイドで患者のケアをする看護師達に呼吸器に関する知識がない。これは大きな弊害だなと思うし、どうやって患者ケアしてるのか、謎すぎる。シニアナース達も呼吸器の構造を知らなかったり、設定の意味を知らなかったりする。自分が働いていた日本の病院では、先輩に「このモードの意味は?赤ちゃんどんな状態?モニター波形確認した?加湿設定大丈夫?抜管時期の見込みは?」みたいな感じで鍛えられたので本当に拍子抜けする。他にもいろんな要素はあるけど多分これは、日本の未熟児の生存率や障害の少なさに一役買っている大きな要因の一つだと思う。

 

 

このおかげ(?)で、病棟看護師に元RTがいるという噂がRTに広まり色々聞かれた。話してみると管理の仕方は日本のNICUとだいぶ違う。

 

 

例えば、日本のNICUでは加湿の管理もすごくシビアにやっている所が多いように思う。

環境温度の違い(例えば保育器の中と外)についての文献やスタディもあるし、回路の長さを調整したり、保護したり、空調からの距離を取ったり、保育器の温度設定、患者の痰の性状に合わせての加湿変更をきめ細やかに行なっている。それに比べると、こちらでは基本オートモードで回路はノータッチ。痰が引けなくても気にしない。基本的にドライだと思う。で、基本的に肺は白い。挿管期間も長い。

 

 

 

業務上はすごく助かるし、忙しすぎる日本の看護師さんのためにもRTが資格職種として確立されればいいなと思う一方、日本の看護師さんの知識量は半端ないので、それはぜひ維持されるといいなと思う。本当に日本の看護師さんはすごい。