転移性脳腫瘍/全脳照射 7 | がんも身のうち *子宮頸がん再発転移の無治療ライフ*

がんも身のうち *子宮頸がん再発転移の無治療ライフ*

癌になったらどうすればいいの? 答えはきっと、一人ひとりの胸のうちにある。闘うも闘わないも、その方法も、人それぞれでいいと思う。それまでの人生が、皆それぞれであったように、そこから先の生き方もまた、その人らしくあることを諦めなくていいんじゃないかな。


こんにちは。
今日もステキな青空です。
皆さま お元気でしょうか?


さてシリーズ最終回となる今日は

前回の
  ⑴ 認知機能低下の発症率についてのデータ
  ⑵ 認知機能低下の程度
の情報に続いて

  ⑶ 転移性脳腫瘍の症状の現実
  ⑷ 末期治療の治療法選択の現実
の2点についてお話ししたいと思います。


Herbs自身がこれまで体験した転移性脳腫瘍の
症状は、いきなりのひきつけ発作でした。

発作を起こす2日前には、日帰り温泉施設で
遊んでました。

1日前には、いつものヘアサロンへ行って
カットしてもらい、年末年始に向けて、
新しいヘアダイのパッチテストをしてもらっていました。

今、思い返しても、全くなんの症状もなかったとしか言えません。

あえていうなら、数日前からアタマの中が沸騰しているような感じがたまにあったかなぁ と。
特に、ハマっているスマホRPGゲームで熱くなったときに。

そんな 末期ガンどころか 病人にさえ見えない
ヤツが 本当にいきなりひっくり返ったのですから、家族はさぞかし、肝を冷やしたことでしょう。

当人が記憶しているのは、まるでおデコを背後からつかまれて 引き倒そうとグイグイと引っぱられているような感覚。

左側の顎が、口元も含め、制御不能にガックンガックン引っぱられたこと。

黒闇に白銀色の閃光が走り、ガーンガーンと
音が鳴っていたこと。

あとはもう、完全なブラックアウトです。

ふと正気に返ったら、救急車の中で 救命士さん達に顔を覗きこまれていました。


全脳照射の提案を受けて、
近い将来に 脳に受けた放射線性の障害により
脳が壊死してコワれて縮んで、認知症状が出るリスクを背負わなければならなくなったとき

本当に不遜な考え方かもしれませんが

認知症になって生き延びて、肺転移の症状で苦しみ抜いて逝くより

治療しないで放置して
脳腫瘍によるお迎えを待つ方が 私の生き方らしいのではないか と本気で考えました。

脳腫瘍による症状は、どんなものがあるのか。
命を落とすときは、どんな最期になるのか。

これについては
婦人科の Dr. たちが話を聞かせてくれました。

脳腫瘍の症状は2つに大別されます。

腫瘍そのものを原因とする局所神経症状と
腫瘍の周りの脳浮腫による、頭痛、嘔吐などの頭蓋内圧亢進症状です。

局所神経症状は、腫瘍のできる場所によって
麻痺、ふらつき、失語症、複視などさまざまです。


症状は数週間の期間に進行する場合が多く、
てんかん発作(けいれん発作)を発症したり
脳ヘルニアを起こせば 意識障害が生じます。

頭蓋底部に腫瘍ができれば、複数の脳神経を侵して多発性脳神経麻痺を起こします。

腫瘍からの大出血で急変し、
そのまま亡くなるケースも多いと聞き
ぴんぴんコロリのイメージでいた私の認識は
はなはだ甘かったようです。


脳腫瘍の症状の現実を知ったことで、いわゆる脳死のような状態になって、家族に負担をかけ続ける可能性すら見えてきました。



最後にお話を伺ったのは いつもの主治医でした。

単純MRで ご新規3名様が見つかった日、
白衣をひるがえして訪れてくれた主治医は
治療に反対の姿勢でした。

アタマの方はイタチごっこになるから
治療をやればいいってものじゃない。
症状が出るまでは放置して、
その後はクスリで抑えながら なんとかするのでもいいと思う。
僕は全脳照射には反対、とのご意見でした。

いつもながら
とんでもなく忙しいはずなのに
病状に変化があるたびに キチンと直接会いに来てくれて話しをして行ってくれる。

この主治医には、感謝感謝の Herbs です。

に、しても 
今回は 厳しい表情をしていたのが気になって
ちょっと調べもの。

すると、主治医の言わんとする意味が浮かび上がってきました。

主治医の言うクスリとは
ステロイド剤や浸透圧利尿剤のことで
炎症や内圧を抑えながらの維持療法のことだろうと思われました。

Herbs のような末期患者への治療には、標準治療もガイドラインも存在せず、Dr. が予後期間の予想に基づいて方針を決めていきます。

このような緩和的保存治療は、予想される生存期間が3ヶ月ほどである場合だとか。

主治医は 放置しておく期間をふくめ、いよいよHerbs の予後が半年を切ってきたと判断しているんだな とわかりました。

それで いつもにはない 厳しい表情を浮かべていたんだな と。

両肺門部リンパ節腫大による気管支狭窄から逃れるための治療中に
新たな多発脳転移が見つかってしまった現実を

噛みしめるような思いがしました。


その後、造影MRの結果を受けて全脳照射を提案され

考える時間がほしくて、症状が出るまでの時間を確認すると、Dr. 脳外からはわずか1ヶ月との回答が。

決断を迫られ苦しんでいるところに、再び主治医がやって来ます。


え、1ヶ月?
うーん、じゃあ全脳やる価値はあるよね。

もう少し時間あれば、クスリで抑えながらなんとかって手もあったけどね。

肺を治療してるのは そもそも1ヶ月以上いけると思うからで、それじゃ意味なくなっちゃう。

年齢的には認知症状が出る懸念は少ないと思う。

認知機能に衰えが出なくはないが、ヒドイことにはならないだろう。

前回ガンマしてからどのくらい?
    → 9ヶ月、10ヶ月

うーん、まぁ、今回全脳やって 次に出てくるまでそのくらいあれば、よくいけてる方じゃない?

いつまでに返事?
     → 今日、明日。だけどもう少し時間ほしい。

ゆっくり考えても新しい何かが出てくるわけじゃないから、

抗がん剤はしませんって、あのときのHerbsさんくらいの固い気持ちじゃないなら、

えいって
いっちゃうしかないかも。


「目をつぶって飛べ」のご意見でした。


あくまで Dr. 陣の予想ではありますが
全脳照射をしなければ、発症までに1ヶ月。
緩和的維持療法で3ヶ月。

まさに、この春のサクラを見納めに

願はくは 花の下にて 春死なむ 
    その如月の 望月のころ

西行法師さんの大好きな歌のとおりの最期。


このとき、それも悪くないなぁ とスンナリ思えていたら
その選択をしていた Herbs と家族でした。


でもこのとき、私のココロに浮かんだのは


おまいらの予想どおりになってたまるかビックリマーク


だったのです。


嗚呼、この救いようのない B型反骨精神 叫び



治療うける前から ハゲそうな勢いで悩んで
やるなら
ありったけの勇気と覚悟をかき集めて挑む治療。

なのに

全脳やって「次に出てくるまでに9ヶ月ならよく行けてる方」!?

じゃ なにか

おまいらの予想じゃ

全脳しなくて4ヶ月。
したら1年弱ってか。


覆してやろうじゃないの。
また再び。

全脳して 2年 3年 突っ走って見せてやろうじゃないの パンチ!


フツフツと
チカラが湧いてきました。
ムクムクと
夢が やる気が、未来が 欲が、見えてきました。


こうして、全脳照射を受け入れることに決め
自らの生命予後を勝手に3年と固めたので
晩発性合併症である認知障害を可能なかぎり避けるために
最後に、分割照射スケジュールにモノ申しました。


提案では 3Gy × 10回 → 30Gy でしたが


今回かき集めた資料に

⚪︎認知機能低下は 30Gy(10分割)ではかなり目立ち、30Gy(15分割)くらいから生じる可能性が出てき始める。
⚪︎発症を防ぐためには、線量を1回あたり2.5Gy以下に抑える必要がある。
⚪︎長期予後が望めそうな症例には、潜在的リスクを減らすため、2.5Gy(15分割)もしくは
2Gy(20分割)に下げることも考慮する必要がある。

などの記載があったため

2.5Gy × 15回 → 37.5Gy で手打ちとすることにしました。



以上が、突然ふって湧いた 多発脳転移の再々発に対する全脳照射受け入れを決めるまでの軌跡です。

今も、きっとどこかに、
同じ治療法を提案され、恐怖におののいている誰かがいるはず。

私が入手した資料によると
全脳照射による認知機能低下が発症する頻度は
全症例のうち、わすが3~5%程度だとか。

今回のシリーズが
希望をもって長期生存をめざし
治療に踏みきる参考となれたら幸いです。




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