残ったポテトフライを手掴みで片付けた吉永は、満足げな顔して横目でなおみに視線を送る。
だが、その熱い視線には全く気がつかないでいる。なおみは感ずているのか、いないのか別として、目の前に並ぶ食器達と額に小粒の汗をひからせて格闘中だ。
「すごーい、ヤッパリ男はそうじゃなきゃ」
誉められて嬉しかったのだろ、吉永は満面の笑顔で「任せてよ」答えると、しげしげとちゃぶ台の上をお絞りで拭き始めた。
なおみはちゃぶ台の手前に座る太陽の横から手を伸ばして、吉永が平らげた皿を受け取ろうとしていた。
意識はしていなかったが目の前になおみの顔がある、流行りのフルーツシャンプーの甘い匂いが漂う。
この香りはラズベリーだ。改めて、なおみの顔をマジマジ見ると少し吉永の気持ちが分かる気がした。
触りたくなるような白いほっぺ。
笑うと下がる、目尻。
アヒルのような口元。
「可愛いい」自然に思ってしまった。
太陽はその気持ちを悟られまいと「その皿も取ってやれよ」思わず一緒になってちゃぶ台の上を片付ける一員に加勢してしまった。
つづく