ダーウィンが生まれて200年も経とうとしています。これまで人とは特別なものとの認識があったのですが、この間の研究の成果は、人と他の生物のとの共通性が高いことを示しているのです。人とチンパンジーの違いも言語能力に関係する遺伝子の(FOXP2)における2個のアミノ酸を作る働きが異なるだけなのです。

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このことは遺伝の操作によってチンパンジーも言語能力を獲得する可能性を示唆しているのです。生物のこのような共通性を突き詰めていくと同じ哺乳類なら言語能力を獲得できるチャンスはあるということが分かります。これまでの生物の歴史から考えるととんでもないことなのです。

ダーウィンが生まれたのは1809年です。ビーグル号にのって世界一周の旅に出かけたのが、1831年です。つまり現在の大学を卒業してすぐという22歳の頃でした。それから4年後の1835年にはガラパゴス諸島に到着しています。ここでの観察と体験はダーウィンに大きな影響を与えたと言われています。

それから24年後の1859年に彼は「種の起源」という本を出版しています。この本の大きな主張は、すべての生物は共通の祖先を持ち、環境に適応したものだけが増えていくというものです。言わばこれがダーウィンの進化論なのです。

彼はその後1871年に「人間の由来」という本を出版しています。この本のことはあまり知られていません。霊長類に人間のルーツがあることを示したのです。彼は最終的には人に注目して生物としての人に注目したのですが、人は特別なものでなく、生物の進化の中の一生物であることを理解したのです。当然のごとく宗教界からの反発は大きいものでした。

ダーウィンの探検には動物だけでなく当然のように植物の観察や調査も行っています。しかし生物の中で特にある植物に注目した修道士が居ました。彼の名はメンデル。あのメンデルの法則のその人です。彼は修道士としての平穏な日々の中で、エンドウ豆の様子を観察して代々の形質や形態に直目してある法則があることを発見しました。規則正しい生活をしている修道士ということが幸いしたとも言われています。

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メンデルの遺伝の法則には大きな3つの法則が存在しています。それは、優劣の法則、分離の法則、独立の法則です。これらの法則では親から子に遺伝する形質があることを発見したのです。当時まだ遺伝子という考え方のない時代でしたのでこの発見の意義は大きかったのですが、そのことの意義を理解する人は少なかったので偉大な発見にも関わらずメンデルは高く評価されることはなかったのです。

そのような中、ダーウィンは1882年に73歳で死去しました。その功績は大きいものでしたが、当時の人達にはその重大さを理解する術がなかったのです。ダーウィンにしてもメンデルにしても現代になってやっとその研究や発見の重要性が認識されるようになりました。

1930年代から40年代にかけてダーウィンの進化論とメンデルの遺伝の法則の統合は試みられ、統一的な理論が形成されました。研究者は1900年代には既に遺伝子のようなものの存在を認識し始めていたのです。

遺伝の中でもっとも重要な発見であるDNAの二重らせん構造は1953年にワトソンとクリックが論文に発表しました。この発見は世の中に人にも衝撃を与えました。これらの発見はダーウィンの進化論とメンデルの遺伝の法則の物的証拠となりえるものだったからです。

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そしてとうとう2003年になってヒトゲノムの塩基配列の解読が完了しました。予測よりも数年早く完了できたのです。それは画期的な成果だったのです。遺伝子の存在の認識から100年でDNAのヒトゲノムの塩基配列が解読できたのです。もちろん多くの研究者がこれに関与しています。

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多くの研究者の統合的な研究の成果でもあるのです。生物学だけでなく、物理学、医学、数理学、化学などの科学者を総動員しての成果でした。これからは生物のゲノム情報を比較して人はなぜ人になったのかを調査研究することになるでしょう。

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ゲノムの解読で見えてきたものは、生物の共通性でした。これはダーウィンの進化論を強力に支持するものでした。しかし、進化においては遺伝子の変異だけでなく、遺伝子そのものの働きを調整する仕組みが存在していることが分かり、それが影響していると考えられるようになったのです。

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もちろん独自の遺伝子の考え方を展開しているリチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」に見られるユニークな考え方にはまだ大きな隔たりが存在しています。しかし遺伝子の存在を小さく評価できない理由もあるのです。それはまだ十分に遺伝子を理解していないと考えられることがあるからです。

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そのために遺伝子の研究は量子力学的な面からの研究が始まっています。無機物と有機物の違いや生命体の増殖などまだ完全には理解できていないからです。細胞が分裂する仕組みの基本であるコピーについても実は解明されていません。

無機物から有機物をある操作で形成出来て初めてその結果を評価することが出来る可能性があるのです。それにはまだまだ分からないことが多いのです。これに関する発見は今世紀最大の発見となるでしょう。しかし今世紀でも解決できない可能性もあるのです。それほどに難しい問題です。

さてここからが今日の本題です。

内なる戦争とは、なぜ自分と歴史的な人との戦いなのでしょう。私たち一人ひとりの人間はチンパンジーなどに見られるような個性より多くの差異を持っています。つまり一人ひとりの人間が大きく異なると言うことです。もちろんこれは生物学的な面だけでなく、人間としての存在として議論するからです。

その個性を形成しているのが、個々に伝播された遺伝形質とその後に獲得した前頭葉の獲得の違いです。人は二人の人間が同じ時間には存在できても同じ空間には存在できないからです。つまり一卵性双生児で生まれてきても、同じように異なった空間に存在せざるを得ないのです。しかし近接空間に存在する可能性は否定できません。

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一卵性双生児の場合、個々に伝播された遺伝形質はほぼ同じと考えられます。しかし細胞が二つに分裂した瞬間から異なる空間を占めることになるのです。その違いは当然のように前頭葉への影響が異なることを示しています。

個々に伝播された遺伝形質は一卵性双生児の場合だけでなく、そうでない子供にも同じように影響します。それは人としての共通性だけでなく霊長類としての共通性、哺乳類としての共通性のように辿ることができます。つまり人には共通部分が多いと言うこともできるのです。

個性を発揮しているのはもちろん個々に伝播された遺伝形質によって外見上や能力上の違いとなって現れます。そしてその上に後天的な言わば前頭葉が獲得した感覚や情報や刺激によって人が形成されることがわかります。

個々に伝播された遺伝形質には強い自己保存の形質があります。それは自己防衛本能とも表現できるものなのです。それは基本的には生体を長期に生存させるための工夫や仕組みでもあるのです。しかし前頭葉の発達した人にとっては大きな衝突の原因ともなるのです。

前頭葉の発達は個々に伝播された遺伝形質に対しての敵対心や反発にも似た行動をしてしまうからです。これに対して個々に伝播された遺伝形質は強い自己保存の形質を働かせて生体の維持の勤めようとします。

ここで大事な点は、前頭葉の発達の影響から個々に伝播された遺伝形質の自己保存の仕組みに何らかの変調が起きている可能性があるのです。それは生体の外界のとの関係を調節する刺激-反応系の仕組みです。この刺激-反応系の仕組みがおかしくなっている可能性があるのです。

アレルギー関係の障害はそのほとんどが刺激-反応系の仕組みの変調と思われるものです。根拠はないにしても伝播された遺伝形質の前頭葉に対する反発や攻撃にも思えるのです。本来生体の正常な維持が大きな目的であるべき伝播された遺伝形質が、結果的にその本来の役目を放棄しているかのような動きをしているのです。

伝播された遺伝形質は歴史的な人とも言うべきものでもあるのです。つまり私たちの祖先が生存のために獲得した形質でもあるからです。糖尿病などの場合にも飢餓遺伝子が影響していることなどが分かっています。しかし通常ならこのような変調の起こる確率は少ないと考えられるのですが、実際にはその確率を大きく上回っています。

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それは異常ともいえるものです。これの異常は現代になって顕著に現れるようになりました。最終的には遺伝子の異常ともいうべきものです。しかし遺伝子には本来自己補修の能力があります。しかし強い放射線などの影響下ではこの自己修復機能が働かないことなどが分かってきています。

私の友人で放射線医学の権威でもある教授も同じような研究報告をしています。しかも今問題なのはこの強い放射線だけではなく、微量影響因子といわれるものの影響です。環境ホルモンとして想定されているようなものも同じようなものです。

まったく影響はないと思われるほどの極微量の影響物質が生体に大きな影響を与えていることが分かっています。これらの影響物質は似通って入るものの同じでない物質によって影響が出ています。つつまり似て非なるものも存在します。物質が異なっても与える影響は同じようなものとも考えられるのです。

さて、そのような状態の脳に対して我々はどのように対処すべきなのでしょうか。まずそれは脳を意識すること、歴史的な人との共存を図る方法もあります。意識をハッキリ持つことは重要です。本能のままに動くことが必ずしも正しいものではないのです。

時には強い意志を持つことも要求されます。特に糖尿病の場合、前頭葉との関係は大きいものです。摂取してはいけない食物も食してしまうことがあるからです。同然のごとく病状は悪化します。時には失明するような重大な危機でもあるのですが「後悔後に立たず」の様なことを人はやってしまうのです。

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これらは正に本能との戦いでもあるのです。つまり歴史的な人との戦いでもあるのです。前頭葉に要求されるのは強い意志ということになります。また記憶障害も大きく影響します。何々したら良くないという情報の記憶を忘れてしまった場合、禁止された行為もそのまま実行してしまうことになるからです。

ここでは糖尿病を例にしてあげましたが、実はもっと精神的な疾患にも関係があります。うつにしても自傷行為にしても統合失調症にしても歴史的な人との戦いが存在しているのです。これらはその現象をつかみにくく、人間関係や脳の異常などで片付けられていることが多いのです。

強い意志、実行力、決断力、判断力、記憶を保持すること、理性を取り戻すことなどがこの問題の解決方法でもあるのです。このように私たちの歴史的な人との戦いは不思議な話でもあるのです。