キキさん、目は覚めましたか?
「うっ、えーっと、何でしたか、ハイ、目はさめました」
春眠暁を覚えずとはこのことじゃな。

今日は脳の話の中でも一番重要な統合脳の話をしよう。
「何ですか、その統合脳って言うのは?」

つまりじゃな、乱暴な言い方をすると脳の統合的な機能のことじゃよ。よく耳にする言葉で統合医療だとかいう言葉を聞いたことないかね。「あるある。ある雑誌の記事に漢方と現在の医療を一緒にして病気の原因を探ったり、治療したりすることでしょう」そう、キキさんは良く知っているね。

この統合脳は現在問題になっている「うつ」やパニック障害などとも関係があるんじゃよ。ある意味では、うつになりやすい人やパニック障害を起こしやすい人が居るっということだね。

お寺のお坊さんがうつや自殺などということはあまり聞かないだろう。ただし例外はどこにもあるがね。お坊さんがお経をあげている時は、気持ちの上では大変落ち着いていて、変な心配ごと等はしないということだね。関連してたとえば、座禅や瞑想などもその類にはいるが、精神を統一するというだろう。つまりこれが統合脳の機能に相当するということも考えられるんだよ。

ラマ・チャンドラン博士が脳をだますという表現をしただろう。それにも関係があるんだよ。ここでは目から入る視覚によって脳に伝達された情報がカガミに写ったありもしない失ってしまった手足として統合された結果、治療が行うことが出来たと考えるとこができるんじゃよ。つまり脳はありもしない失ってしまった手足があるものとして感覚または意識してしまったことになる。これは重要なことなんだよ。

脳の部位では視覚の情報は後頭部付近で処理されていることになっている。これに対して、五感である視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚などは脳のほぼ中心部で処理されている。人が会話をした場合、単純な会話だけでは言語を司る中心部のみが活性化しているだけで全体的に活性化しているわけではないんだよ。

しかし中身のある会話が行われてくると、考えるという機能が働き、数個の脳の特定のエリアが活性化してくる。このように複数の部位が活性化する場合の働きを学問的に追求するのが統合脳の研究ともいえるんだよ。

ここでよく使っている活性化というのは、その部位の血流量が増えているということを表す専門的な言葉なんだよ。



キキさん、また眠くなったんじゃない。「は、ハイ、なんとか聞いています。スースー」

(つづく)