言葉によって生まれる偶然があるなら、遭遇してみたい
言葉によって作られる糸があるなら、創ってみたい
言葉によって紡がれる毛糸があるなら、編んでみたい
言葉によって編まれるセーターがあるのならそれを着てみたい
でも私の言葉だけで実現してほしいその不思議な紡ぎ
それは我儘でなく、私の強い気持ちの表れであるから

ポケットの隅に忘れられた言葉
濡れ落ち葉のように纏わりつく
小指の中のコインの裏表を弄ぶように
指の間に挟まれた紙に頼る
朝日の木漏れ日の中にあなたの光を見出した
思いは通じると確信した時には既にあなたは

強い思いだけが通じると思いこんでいた私
面影に隠れてしまった切ない想いの行方
片腕だけに頼り過ぎていたのかもしれない私
一本の糸にも頼りにされない程の気弱さなんて
手の平の転がすようにすべての糸が離れていく

あなたの言葉によって紡がれるものがあることをあなたは知らない
私だけが知っている私の中の紡がれかけのセーター
あなたはそのままにして私から去って行こうとしているのよ
残された紡がれかけのセーターはどうなるのよ、いいわよ

私はこのセーターの糸をといてあなたの中に何かを作る
残された言葉のチャンスにそのことをあなたにぶっつける
そう、それは短期間に編み上がっていく、セーターでなく、
細いマフラーよ。なぜ細いマフラーか分かる?分からないでしょう
あなたはそれほどに鈍感な人よ、そして何も知ろうとしない

私はあなたとお話するだけよ、何の糸もないわ、そう何の意図もないの
それは楽しいものよ、私だけが知っている秘密だから、編みあがっていくたびに
私の喜びは増していく、そう段々と確実に、そしてその時を待っている
目を覚ましなさいよ、あなたにチャンスを与えているのよ、それも二度目のチャンスを・・・分からないのでしょう、言葉によって紡がれるものがあることを、知らないのね・・・やっぱりあなたは

サスペンスポエム