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11日木曜日
KAATで成河主演の『アドルフに告ぐ』を見てきた。
お席は5列センター。
よく考えたら2013年の秋に通った思い出の劇場。
『ジャックザリッパー』あの時は楽しかった。
久しぶりだけれどとてもきれいで感じが良い場所。
それはともかく。
重い重いお話だった。
ドイツで繰り広げられるユダヤ人虐待の話が
日本でもひとごとでなく
一人の日独混血のアドルフという青年のおかげで
世界のどこでも残酷な出来事が同時に起きているというか。
そういう意味で戦争という狂気と残酷は
いつでもどこでも例外などない人間的な所業だというのがあぶりだされるというか。
ただそこに題材を求めなくたって、
それこそ日本でも見つけられる題材なのではと思うと
敢えてユダヤ、ナチ、ヒットラー、混血青年等の話なのは
寓話性というか、漫画→演劇という事なのか。
などと思って見ていた。
つまり私はそれほど身につまされなかった部分があったということかな。
ただ狂気に陥ったソンハ演じるアドルフが
「どうやって俺の戦争を終わらせたらいいんだ」というようなセリフを言っていて
それがずっと私も気になっているところだ!って思った。
こんなこと、どうやって終わらすんだ??
戦争はある日終わって
それを知った時、どうやったら自分の中で収拾がつくんだろう?
あの大戦の時日本人は、その一人一人はどうやって
納得して次の一歩を踏み出したのだろう。
あの戦争以外も、世界のどの国の人でも。
想像を絶するのだけど…
舞台のアドルフはそこからの人生も悲惨だった。
戻れるはずもない狂気だったと思う。
再び戦場に身を投じておまけの人生だと思ったのかと思いきや
そこで家族も手に入れていた。
生きるつもりだったのか。
そう思うとまた辛い。
ラストシーン、アドルフ同士が対峙する…というより
はっきりと戦うところは眉をひそめて息を殺しすようにして見た。
重い…
一回見たぐらいではよくわからないけど
そのもやもや抱えて帰るのかなぁと思った。
アフタートークは楽しかったけどね