僕は勇者だ。物心ついたときから僕は勇者で、
悪を抹殺し世界の平和を守るために旅をしていた。
旅路は険しく、敵もたくさんいたが、心が折れることはなかった。
そして僕はある大陸のある国に辿り着いた。
王の名はグラド。
村人に聞いたところによると、
王に挨拶をするのはしきたりだと言うので、城に挨拶をしに行った。
勇者である僕はグラド王に認められ、ある任務を任せられた。
最近世間を困らせている凶悪な魔物がいるらしい。
退治すべく向かった先はアリシナ渓谷の奥にある洞くつだ。
洞くつの奥には、とてつもなく大きな魔物がいた。
その国の傭兵だという3人の仲間と共に向かった僕は、
大きな怪我もなくあっさりと倒してしまった。
グラド王に褒美をもらい、僕は次の国へと向かった。
城の外に出ると、先程魔物を一緒に倒した仲間の1人が立っていた。
私も一緒に行くわ。グラド王には許可をもらったの。と言う。
1人より2人の方が心強い。僕たちは一緒に旅をすることにした。
それから僕たちはたくさんの場所へ行き、たくさんの敵を倒した。
瀕死になって逃げ帰ってきたこともあった。
景色の綺麗な場所でのんびりすることもあった。
そんな日々の中で、ふたりの間に愛が芽生えるのはごく自然なことだった。
ある日の朝、彼女は買い物へ行くと言って近くの店まで出かけていった。
しかしいくら待っても帰ってこない。
心配になってその店まで行ってみたが、彼女の姿はない。
魔物にやられたのだろうか。 誰かにさらわれたのだろうか。
僕は心配で心配で眠れない日が続いた。
なぜ1人で行かせたのだろうかと自分を責めた。
食べることもできず、眠ることもできず、
ひたすら彼女を探して歩いていた。
彼女が消えてから何日経っただろうか。
僕は海に辿り着いた。
夕日が沈みかけている。
キラキラと光る波打ち際に人影が見えた。
僕は走ってその人影に近づいた。
彼女だ。
こんなところにいたのか。
僕は彼女に手を伸ばし、すごく心配していたよと言おうとした。
が、うまく声が出ない。
みるみるうちに視界がぼやけていった。
プツッ。
その瞬間僕の視界は真っ暗になり、思考が止まった。
「あきらー。ご飯だって何度言えばわかるの。
ゲームばっかりしてるからテストでいい点がとれないのよ。
しばらくゲーム禁止ですからね。」
「えー。やだよー。」
「やだじゃありません。早くご飯食べなさい。」
