中野香織さんが書かれた 「モードとエロスと資本 」。
この本を読むと、モードがいかに意図的に生み出されているかということを感じます。
"資本"という観点が切り口になっているからですね。
ファッションの担う意義についても、時代背景とともにその変遷が辿られています。
それに関連するエピソードの中から、素敵な言葉があったのでご紹介します。
"embrace femininity"(女性らしさをいつくしむ)
かつて国際法律事務所フレッシュフィールズ・ブルックハウス・デリンガーが、女性雇用者に対してこう教示したそうです。
「トラウザーズ(長ズボン)ではなく、ハイヒールとスカートで装い、女性らしさをいつくしみなさい(embrace femininity)」 と。
女性のパンツスタイルが流行った時代のことでしょうか。私は、パンツスタイルが女らしさを必ずしも否定するとは思っていないので、この内容自体には違和感がありますが、最後の "embrace femininity" という言葉が気に入りました。
女性であること(femininity)を、愛情をもって抱き締める(embrace)。
新しいマニキュアを塗ってみたり、チークの色を変えてみたり・・・。何気ないですが、何気に楽しいことってありますよね。
後ろめたさを感じず、気負わず、心地よく、femininityを楽しみたいですね。