配信終了後も変わらずUPでござんす。
たぶん、来年になっても変わらず書いているよ・・・私・・・。
書きたいのはいっぱいあって、時間と気力が足りなくて・・・という感じでごわす。
書き終える日はいつになるのか!?
さておき、八雲編でございます。
さらさらいけました!
***
風が吹き、木々の新緑が揺れる。
空を飛び交う雲は時折夏雲のよう。
暖かい陽気、花の香り。
けれどもそれらを払拭する様なため息が聞こえた。
「はぁ・・・」
「なんだ。辛気臭い」
信西の部屋の前に位置する縁側で、八雲は信西の点てた茶も飲まずに大きなため息をついた。
「辛気臭くもなるわよ・・・。恋戦の配信が終わっちゃったんだもの」
「10日もたつのに未だその様なことを」
「11日よ!」
「大して変わらん。そのような瑣末事で悩んでいたのか」
「そんな言い方ってあんまりだわ!少なくともあたしは永遠に続いてほしかったの!」
八雲は涙が出るのを必死にこらえ、レースのハンカチを握りしめた。
「瑠璃の恋がどう実るのか・・・横恋慕には誰が来るのか・・・。何にしても、毎回あたしが瑠璃の花嫁衣装を作るのよ!」
「ふん。あの女の色恋なんぞどうでもよい」
信西が鼻で一蹴するも、八雲は聞く耳を持たない。
「清盛さんは猫好きだから猫耳でコスプレ風味もいいし、
義朝さんなら実直で真面目だから貞淑な真っ白いマーメイドロングもいいし、
後白河天皇だったら本人のセクシーを凌駕するほどのセクシーさでもいいし、
家盛さんはああ見えて豹変タイプだけどロマンチストだから可愛いのがいいし、
颯太だったらこれはもう王道のウエディングドレスにティアラでしょ」
「・・・こす?せく・・・?八雲?気がふれたか?」
聞き慣れない言葉に聞き返すも、やはり八雲は聞いていない。
「あたしは本気よ!!
変化球で其一さんならやっぱりセクシーで強気な感じのピンヒールがいいでしょうし、
まさかの茨木なら本人が子どもで黒っぽいから大人のムラサキでリードしたいし、
よもやの鳥羽法皇ならミニスカでガーダー付きの絶対領域で迫ってみたいし、
西行さんは、・・・色んな覚悟も含めて白装束・・・いえ、白無垢よね!!!!」
「・・・・・・。」
「って、あたしの中での計画は着々と進んでいたのよ!!
赤ちゃんが生まれたらベビードレスだってちゃあんと縫うわよ!
それなのに配信終了だなんて。あぁ!どうしたのいいの!!」
八雲はレースのハンカチを咥えて叫ぶ。
その様子を横目で見ながら、信西は茶をすすった。
「お前はずっと以前のままを求め、変化を好まないのだな」
「別に贅沢を望んでいるわけではないわ。今まで通りに皆で楽しく出来ていればそれでよかったの。・・・ただそれだけだったのよ!」
「ふん」
「うっ、うっ・・・」
ついにぼろぼろと涙がこぼれる。
一筋頬に伝えば、あとは簡単に。
いくつもいくつも涙がこぼれた。
「聞け」
信西が言った。
「変化を求めずに生きることほどつまらぬことはない
全てのものは不変ではない。生まれれば、死ぬ。それは万物に与えられたること」
「・・・分かってる。そんなこと、分かっているのよ」
「野心を持て。先を見ろ。そのまま立ち尽くしているのは死んでいるのと同じだ」
「うぅぅ・・・でも・・・あたしはそれでも悲しくて仕方がないのよ。皆がしんちゃんみたいに強いわけではないわ・・・」
「―――では、ひとしきり泣け」
「・・・・・・。」
「思う存分泣いたそののちは自分の脚で立つがいい。お前が多くの時間を費やして泣くことを、誰が望むというのだ」
「しんちゃん・・・」
「たとえ全てが終わっても、八雲や後白河天皇、その他の者どものしてきたことは事実であり消えることはない」
「・・・・・・。」
「それで終わりと思うのも、終わらずに続くと思うのも、全ては己の心次第だろう」
「・・・・・・。」
「お前は人の手がなければ存在しえないのか?お前という存在は、お前自身ではないのか?」
「それは・・・」
「全て終わったと思えば、その時こそ終了だろう。しかしお前が終わりなどないと望めば、それはいつまでも続くだろう」
「しんちゃん・・・」
八雲が信西を見ると、信西は視線をそらした。
「・・・そうね。そうよね。・・・配信が終わっても、あたしたちがやって来たことは事実だし、あたしたちがいなくなるわけじゃないもの」
「・・・・・・。」
「やっぱり、亀の甲より年の功、ね!少しだけ元気が出て来たわ!」
八雲はハンカチで顔を力強く拭いた。
頬や眼頭が赤くなってしまったが、それを気にすることはない。
八雲はすっくりと立ち上がり、こぶしを天に向けて叫んだ。
「あたしはこれからも瑠璃の恋愛を応援するし、セクシーでキュートで皆をイチコロにするような着物や小物を瑠璃に作るわ!それがあたしの生きる道よ!」
「ふん。現金なやつめ」
「ありがとうしんちゃん!そうとわかったら!」
八雲は庭へと飛び出た。
「これから市に行って良い反物をゲットしてくるわ!」
言うが早いか八雲は走り出す。
草履を履くのも忘れ、意気揚々と。
信西はそれを眺め、隣にあった湯呑を持った。
それは八雲の飲み残し。
中には小さな茶柱が立っている。
「配信終了?それがどうしたというのだ」
「俺の野望は消えることはない。源を使って目障りな平を始末し、我が遠縁の娘を後白河天皇の手がつくようにとするのみ」
「俺は立ち止まらぬ。振り返らぬ。ただ前に進む。それが俺の道だ」
完
***
ししおどし・・・添水を出したかったのですが、いつから日本にあるのかわからんちんで出しませんでした。
信西の言っていることは、大学時代に私の友達が話していた言葉をもじりました。
「確かに今は楽しいけれど、ずっとこのままっていうのは嫌。先に進みたい」
まあ意味は違うんですけど、配信終了で凹んでいた際に思い出したので信西様に言ってもらったよ!!
アタイの中で終わってなければ恋戦は続いてるー!!
ノリちゃん、アタイも市に行って反物ゲットだぜ!!
と、いうことでござんす。
さて、あとは其一と茨木と鳥羽法皇と巳船ちゃんです。
ぼちぼち行きまっせ!!