祖父の遺産分けの日
幸子おばさんの娘(私のいとこ)の「ガン飛ばす」態度で
叔父とその長男と私は、「やっぱこいつら信じられねぇ」

まず、叔父が築40年にもなろうとしている古家と隣接する
入居者家賃未納など問題ばかりの
古アパートの相続をすることを伝えた。
祖父が残した内孫名義や、実際に世話した長男の嫁の名義の
通帳の合計金額も洗いざらい。
その現金を姉妹三人でわける予定が、
幸子おばさんの「自分の娘にももらえるんだよね」という言葉で
孫五人分も追加されることになった。
三人で山分けした方が、子供と孫で額は違うけど
本当は取り分多くなるんだけど、どうもそこらへんの計算は不得意らしい。

幸子おばさんの娘が無言のまま、
しっかりものの叔父の長男が、遺産分けの金額を発表。
たぶん思ったより、金額も取り分も大きかったのだろう。
仏頂面の親子の顔がほころびそうになってきた。
これは先手必勝、作戦勝ちだ。
しかし、このまま終わらせるわけにはいかない使命感が
私にはあった。
なぜなら、40年も祖父の面倒をみた叔母の取り分がない、
それはいくらなんでも、おかしい。
(たとえ本人が納得済みだとしても)
感謝の気持ちをなにかで表せないのか。

私は、「うちはこんなに受け取れない。
いままでも十分もらってきている。
それに今は不動産価格も下がっていて、
アパートは財産どころか、解体するにもお金がかかり
むしろ不良債権である。そこへ固定資産税やら、
解体する前に家賃未納の住人を
追い出すだけでも、立ち退き料などがかかってくる。
となると、叔父さんの取り分は、40年も叔父さんの給料で
世話してきたのにも関わらず、遺産の取り分としてはマイナスになる」
うつ病で一時退院した母はまったく思考停止、
末の妹もだまったまま。この末の妹が何か言ってくれれば・・・

そこへ幸子おばさん、
「あたし、頭悪いからさ、そういう難しい話はわからないんだわ。
あたしは忙しいし、これで納得いったたから、これでサインしていくよ」
でたぁ、ヤンキー&極妻気取りの
「あたし、頭悪いから(でもちゃんと仁義はわかってるよ)」台詞。
コンプレックスの裏返しの虚勢だけの、不条理になんでも終わらせる言葉。
それに忙しいっていうことでいえば、私の方が忙しいし、
もらうものもらったら、さっさと帰るってか?

もう少し私としては、粘って
他の姉妹の「私たちはこんなに受け取れない」という展開を期待したが、
そこへ叔父さんが
「いや、別のプランがあって」と
姉妹三人で分ける最初のプランを言いそうになった。
いとこと私は顔を見合わして、これ以上の取り分を幸子おばさんに
渡してなるものか、と瞬時に叔父を制止。
私「(だまっている母に)だったらうちもありがたくいただいておく?
サインしていくかい?」と母に聞いて、終わりにした。

最後になって、自分の取り分ももらえて、「現金な笑顔」になった
幸子おばさんの娘。玄関入ってきた時とは別人のような愛想笑いで
出て行った。
あんたが17歳でできちゃった結婚した時も25歳で再婚したときも
派手な結婚式2回ともちゃんと出席して、
親戚一同お祝いしてやったのに、なんだかとっても残念だわ、
その性格。

この二人はその後、二度とこの祖父の家、
いわゆる本家に顔を出すことはなかった。

遺産分けをしたあと、何に使ったのか、そんなことも知らせてこず、
あっという間に三回忌を迎えた。
(私は遺産の管理人として、もらった遺産は父と母の介護費用となった)

三回忌法要、事前にちゃんと案内が来た。
仕事のやりくりをしてまた飛行機予約。
着いた時に叔父から聞いた話にあきれた。

幸子おばさんは「ネットで店が大変で出られない」と連絡してきた。
このネットといえば、めくらまし状態で言い訳がたつと
思っている幸子おばさんの、えげつない話はさらに続く。