院長の坪井です。久しぶりにブログを書きました。

 

2月に入り、デパートなどではバレンタインデー商戦が始まっているようですね。

私はもはやバレンタインデーでドキドキ・・・とは無縁ですが、チョコレートは大好きで、

勤務医時代に同僚に教えてもらった「ブラックサンダー」を今でも食べ続けています。

 

さて、そんなチョコレートですが、ワンちゃん・ネコちゃんにとっては中毒症状を引き起こす食べ物としては代表格の一つで亡くなってしまうこともあるほどかなり危険な食べ物です。

チョコレートの種類や摂取した量、その子の体重、感受性、身体の状態などさまざまな要素で症状のあるなし、重症度は異なりますが、

一般に興奮や頻脈、震え、高体温、下痢・嘔吐などから重度の場合はけいれん発作や不整脈、昏睡状態などを引き起こしそのまま亡くなってしまうケースもあります。

 

実は、先月1月だけで3件のワンちゃんがチョコレートの誤食で来院しました。

 

そのうち2頭は少量であったため、ご家族と相談し、催吐処置のみとなりました。

1頭は多量であったため催吐処置を実施(吐きませんでしたが)した後、全身麻酔下で胃洗浄を行いました。

 

これは全身麻酔下で胃の中までチューブを入れ、胃の中のチョコレートを洗い出す処置です。

かなりの回数を繰り返し洗浄し、回収した液中に多量のチョコレートが溶けた状態で出てきました。

内視鏡で確認しながら、胃の中が綺麗になるまで洗浄を繰り返しました。

 

幸いなことに、誤食当日は興奮気味でしたが、翌日以後症状はなく、無事でした。

 

今回のチョコレートに限らず、私たちが日々の診療で誤食や誤飲の患者様と遭遇する機会は意外と多いです。

「まさか!」と思うタイミングでテーブルに乗って食べていたり、目を離したその隙に咥えてしまっていたり、こっそり食べてしまっていたり・・・。

 

日常生活の中で決して簡単なことではないですが、ワンちゃん・ネコちゃんの口と手が届く場所には咥えられるような物、食べてはいけない物を置かないように注意しましょう。

また、おうちの方のコマンドで口に咥えた物を渡したり、離したりするようにトレーニングしておくのも良いでしょう。

 

それでも万が一、食べてはいけないものを誤って食べてしまった場合は、様子を見ずに速やかにご連絡くださいね。

バレンタインデーでおうちにチョコが増えるかもしれないこの季節、チョコレート誤食に特にご注意をチョコレート

 

院長 坪井幸博