▼ 極東の自動車工場はウラジオストクに ▼
 沿海地方のセルゲイ・ダリキン知事は7月13日、ロシアの自動車会社Sollersが
ウラジオストクの「ダリザボド」(船舶修理)の敷地の購入について交渉してい
ることを明かした。また、Sollersの広報担当者は、同社がダリザボドの施設の
一部を購入する意向であることを認めた。現在、ダリザボドを所有しているのは
アンタレス社だという。対象となっている敷地の主な長所はインフラの完備と物
流に都合の良い立地だと、この広報担当者は語った。アンタレス側はコメントし
なかった。
 Sollersは極東で1年以上、工場用地を探していた。同社は極東にイスズおよび
Fiat Ducaoのトラック、サンヨン(双龍)のオフロード車の工場(年間生産台数
1.7万台以上)を作る意向をもっている。当初、Sollersはハバロフスクを検討し
ていたが、その後沿海地方に方向転換した。「物流面から見て、この方が有利だ。
ウラジオストクには港があり、海路で組立部品の供給を受けることができる」と、
Sollers側は説明した。年内にSollersのウラジオストク組立が始まることになっ
ているという。
 さらに、Sollersはウラジオストクで自動車の溶接および塗装も行いたいと考
えている。そのためには、Sollersはダリザボドの施設をさらに購入する可能性
がある。この件で、同じく工場施設の一部を所有している(株)ダリザボドのオー
ナーと、交渉が既に始まっている。(ベドモスチ7月14日)

 ▼ 輸入中古車が検疫の対象に ▼
 ロシアに外国製中古車を輸入する時代は今年7月15日に終わるだろう。まず、
このビジネスは関税政策によって段階的に苦しめられ、最後は連邦植物衛生監督
局が自動車内の害虫検査でとどめを刺される。
 連邦植物衛生監督局は今後、税関と同様にロシア国境の見張りに立ち、ロシア
に輸入される各中古車をチェックする。植物衛生監督局の正式発表では、「2007
年と2008年、検査の際に生物物質や土、生きている(又は死んだ)昆虫が発見さ
れた自動車が4,290台あった。また、検疫上危険な物体(ハスモンヨトウ=
Spodoptera litura Fabr.、アメリカシロヒトリ=Hyphantria cunea、アジア型
マイマイ蛾=AGM、マメコガネ=Popillia japonica)が見つかるケースが14件あっ
た」という。そのため、中古車は「検疫および植物衛生検査の対象となる製品リ
スト」に入れられた。
 7月15日より、ロシアに自動車を輸入するには植物衛生監督局の現地機関で輸
入検疫許可証を取得しなければならない。植物衛生監督局の公式サイトに挙がっ
ている対外経済活動品目リストのコードによると、植物衛生検査の対象リストに
は、乗用車のみならずバスやトラック、特殊自動車も含まれている。
 ところで、植物衛生検査の対象商品は、特定の検問所にしか持ち込めない。北
西連邦管区では「ブラチキ」国境回廊(ロシア・ラトビア国境)になる。つまり、
フィンランドから自動車を輸入すると、それをラトビアまでフェリーで運び、そ
こからロシアに搬入しなければならない。さらに、証明書の取得申請書とともに
必要書類が植物衛生監督局の現地機関に送られ、そこでの手続きに30日かかる。
最後に、検査結果が反映された調書が作成され、それに基づいて待ちに待った証
明書が発行される。
 「外国製中古車の植物衛生検査の実施が禁止的措置なのか」という問いに、連
邦税関局の「ロスバルト」の情報筋は、「明らかにそうだ」と答えた。この情報
筋によれば、今回は将来のこの種の自動車の輸入を撲滅するための役割が連邦植
物衛生監督局に与えられたのだという。
 国の指導者たちは「保護主義は経済にとって悪」だと繰り返し発言しているが、
それに逆行するプロセスが起こっている。「ロシア政府はしばらくの間中古車に
対する高い輸入関税を維持する」とナビウッリナ経済発展相は6月に表明した。
ナビウッリナ大臣によれば、政府が採択した措置は「正常に機能し始めた」。関
税のおかげで国産車の急激な値上がりを回避できたそうだ。そして、その次の
「警棒」あるいは「ハエたたき」として植物衛生監督局が選ばれたのだ。良質な
自動車にいるはずもない蛾を探すという困難な作業が、植物衛生監督局を待って
いる。(Rosbalt 7月14日)

 ▼ 沿海地方のロスネフチの製油所の説明会 ▼
 沿海地方行政府で行われた「沿海製油所」の説明会にセルゲイ・ダリキン知事
が顔を見せた。
 沿海地方行政府の発表によると、ロスネフチ沿海製油所社のウラジミル・ニケ
リャソフ第1副社長が施設の設計状況について知事に説明した。
 沿海製油所は、720ヘクタールの敷地に立地する巨大な生産施設だ。巨大鉱業
施設の建設には、様々な段階で1~2.5万人の労働力が必要で、その大部分が専門
職だ。
 工場の原油処理能力は年間2,000万トン。既に第1段階で、幅広い製品(ガソリ
ン、灯油、ディーゼル油、プロパン、ブタン、コークス、硫黄、その他の石油製
品)の生産が予定されている。第2段階ではポリエチレン、ポリプロピレンなど
の生産も整備される。
 特に、工場の設計および建設で配慮されるのが環境問題だ。全段階で、環境へ
の有害物質の放出をなくす最新の技術が採用される。
 プロジェクトにはロスネフチが出資する。同社は工場建設のほか、社会的イン
フラの整備にも出資する。プロジェクトでは、建設作業員や沿海製油所の職員向
けの「ネフチャニク(石油工業従事者の意)」という住宅地の建設が予定されて
いる。
 ダリキン知事はロスネフチのプロジェクトを高く評価した。(Lawtek 7月15日)

 ▼ 東シベリア産原油の輸出に対するゼロ関税適用なるか ▼
 10以上の東シベリアの石油鉱床が、2月にプーチン首相が約束した「特別輸出
関税」の対象となった。その結果、専門家の計算によれば、東シベリアで最大規
模の鉱床についてだけでも、2010年に約34億ドルの税収が取りこぼされる可能性
がある。もっとも有利なのはロスネフチで、原油輸出に対するゼロ関税の適用に
よって、同社は来年EBITDAを約29億ドル増やしかねない。
 プーチン首相は政府決議No.574「原油に対するロシア連邦関税率の変更につい
て」に署名した。この決議に従い、東シベリアの13鉱床で産出される原油に特別
関税が設定される。このリストに入ったのは、バンコール、ユルブチェノ・タホ
モ(どちらもロスネフチ)、スレドネボツオビン(Taas-Yuriakh Neftegazodobycha)、
ベルフネチョン(TNK-BP、ロスネフチ)、タラカン、アリンスコエ、セベロ・タ
ラカン、ボストチノ・アリンスコエ、ピリュディンスコエ、スタナフスコエ、ベ
ルフネペレドゥイ(いずれもスルグートネフチェガス)、ドゥリスミンスコエ
(Urals Energy、借金のかわりにズベルバンクに移管)、クユンビン(スラブネ
フチ)。
 政府関係者はRBC dailyに対し、今回署名された決議は過渡期的なもので、ゼ
ロ関税の適用を正式に指示する次の文書の書名が、近いうちに予定されていると
説明した。いつ新関税が導入されるのかはまだはっきりしないが、早くても今回
の決議が発効する2ヵ月後以降になるだろう。
 エネルギー省と天然資源・環境省は8月1日までに、今回の決議の対象となる鉱
床での原油生産の事実を確認する手順を策定、制定しなければならない。また、
連邦関税局、トランスネフチ、ロシア鉄道、運輸省、エネルギー省は、対象鉱区
で生産される原油の輸出手続き手順を検討し、すり合わせる。
 この原油輸出に対するゼロ関税の適用は、2月のキリシ市(レニングラード州)
での政府の会議で承認された。この措置は、まず東シベリアで最大級のバンコー
ル鉱床を持つロスネフチ、次にスルグートネフチェガス、TNK-BPにとって有益だ
ろうと、専門家は見ている。「ゼロ関税の適用は、イルクーツク州の鉱床のコス
ト回収を確実にする。次段階は、そのような条件と関税を黒油と白油にも制定す
ることだ。そうなれば、東シベリアにおける石油精製と石油化学工業も、正常な
採算性をロスネフチにもたらすはずだ」というボグダンチコフ・ロスネフチ社長
の談話を、イタルタス通信が伝えている。(RBC daily 7月21日)