今日は元気よく街に繰り出し、色んなところを回ろうと決めていた。
と言っても、何処へ行くかは現地に着いてから決める事が多く今回もそのケースだ。
私がよく知っている地域とか事前調査ができているところは目的意識がしっかりあるが、そうでないところも多い。
観光地が集まっていると思われる海の方向に進む事にした。
さて、まずは朝食だ。
私は早く食べたいが、友人は昨夜の夕食が影響してかもう少し後が良いという。
押し問答を繰り返して2軒目の朝食屋に入る事を約束した。こじんまりとしたお店『Pastelaria Capri』で店内での食事を選択した。カウンターに4-5人並んでいたので、待っているとウェイターをやっている若い人がテーブルならどうぞと案内してくれた。
どうもカウンターにいる人はテーブル席に空きはあるのに、そこで立って珈琲を飲んだりパンを食べていたのだ。
珈琲とパンがセットになった朝食をオーダーした。友人とは別な種類をオーダーしたのだが、ウェイターの彼が持ってきた珈琲はカップの大きさに大きな違いがあり、私の方に大きい方を友人の方に小さい方を置いた。
私達は2人ともその小さな珈琲カップは飲んだ気がしないので、あまり好きじゃない!
私は密かにニヤッとした。
でも、彼のセットにはパンに加えエッグタルト【Pastel de Nata or Pastel de Belen】も付いていた。
これから少し下世話な話になるので、読み飛ばして頂く方が賢明かも⁉︎
途中でトイレに行きたくなったのだ。奥の方を覗いているとウェイターがトイレは地下にあり暗証番号で入れると言い、番号を教えてくれる。確かに降りて行くとトイレの表示はないが、テンキーボードの装置がついたドアがある。そのテンキーは番号が消えていて、消えている幾つかの番号の上には紙を貼り番号が書いてある。
私はちょっと怪しいなとは思ったが、入室した。中には2個のトイレがあり、私は空いている方に入った。
暫くするともう一方の人が出て行った。
すると、全部の電気が消灯したのだ。
ギョギョまだ中には私が居るといるのに!
しかし、トラブルに強い私は慌てず騒がずきっと自動消灯だろうと思い、便器に座ったまま手足を動かす。
あれっ〜、電気が付かない。地下のトイレは電気がないと漆黒の暗闇だ。身の回りを含めて全く何も見えない。
そのまま色々手を動かし、ドア近くをまさぐっているとカチッと音がした。
んっ、なんの音か⁉︎
まだ余裕のある私は一旦外へ出て状況を確認しようと立ち上がった。そして、トイレのドアを開けようとした。ところが、今度はドアが開かない。さっきの音と関係してるのか⁇
おいおい、冗談はやめて貰いたい‼︎
焦ってくるが。ドアを開ける以外に知恵が働かない。お〜い、誰か入ってきてくれ〜‼︎
時間が過ぎても物音ひとつしない。
そうだ、電話という方法があったんだ。と閃いた(^^)でも、ここは地下だ、電波は届かない‼︎
冷や汗をかいてきた。
私はいったいどうしたら良いんだろう。
するとなんの拍子だろうか、動き回っているうちに電気が点いたのだ。きっと自動点灯の機能が回復したのだろう。明るい兆しだ(^^)
でも、やっぱりドアの問題は残りトイ入れからは出る事ができない。
今度は明るいのでドアの隙間を見ながら色々やってみる。今回の旅行では何度もこっちのキーシステムでは苦労している。通常は右に回してロック、左に回してリリースだと思うが、古い鍵はままならないケースが多かったのだ。
思い出したのは、右に回してロックがかかっていると思うが、もう一回回すことができるのだ。当然それで鍵が開く訳ではない。
しかし、ここでももう一回右に回してみる。ロックの鉄の棒はもっと奥へ移動してガチっと鍵をかけるイメージだ。そして、今度は一気に左へ回す。
鍵が開いた(^o^)
今までのホテルでの鍵の苦労も報われたのだ。
やっ た、やった〜と叫びたくなったが、誰もいない地下で叫ぶのはやめた。
私は窮地に陥ると神様が助けてくれるようだ✌︎('ω')✌︎
日本の神様かヨーロッパの神様か分からないが、いつか会った時には是非丁寧に礼を言いたいと思う。
テーブルに戻り、友人に事の顛末を報告すると笑い転けている。他人事だから、面白いのだろうが、次には彼にも同じ経験をして貰いたいものだ。
でも、彼は体質上トイレに殆ど行かないのだ。これまで、25日以上一緒に旅しているが、彼が街中でトイレに行ったのを見た事がない。
野生児でしぶといやつだ。
かなり、脱線したが、私達は観光地へ向かう途中なのだ。