ローマ時代の柱

食事を済ませると『アッピア街道終点』であるBrindisiへ。古代ローマ人は文化芸術では追いつけないギリシャへの憧れと尊敬の念を持ってこの港からアテネへ船で向かったらしい。その思いを海岸で確かめたくて海岸線をゆっくり散歩した。
海辺では平和な空気が流れている事を実感する。海岸沿いに落ち着いたレストランが並び海辺の午後の食事を楽しんでいる人や散歩を楽しんでいる人を見かけた。


また、男女3人が海釣りをしていたので、釣果を見ようと直ぐ近くまで行ったら10cmくらいの小魚をドンドン面白いように釣り上げていた。小麦粉のような団子を釣り針の上にくっ付けて桟橋より海を見ながらタイミングを見計らってグイッと竿を上に上げると小魚が引っ掛かったようにして釣れるのだ。でも釣り上げた魚は針にちゃんと刺さっていない為直ぐに落っこちるのでそれも拾ってバケツに入れると言う事を繰り返している。竿を引き上げるタイミングが絶妙なので海の中が見えているのかと近くに行って海の中を見つめるが私には魚は全く見えない。女性に貴方には見えるのですかと聞くとふっふっと笑って答えはなかった。


その後良くTVで放映される『Colonne Romane(ローマ時代の柱)』の前で悠々と写真を撮り、満足いくBrindisiを味わった。
そして、帰りに駅で自動販売機でジュースを購入しようとしたが、上手くいかない。今回も自動販売機や自動券売機の操作が上手くいかないのだ。これは私達の問題ではなく紙幣投入時の問題のようだ。と言うのは次に購入しようとしていたサラリーマン風の男性に手伝いをお願いしたら彼でも上手くいかなかったからだ。この彼は持っていたコインで欲しいドリンクを私に聞いてどうぞとご馳走してくれた。それは申し訳ないと断ったが、私の気持ちだと言って立ち去った。さりげない気遣いに私は清々しい気持ちになり、困っている人に接する態度に感動した。私は気が付かなかったが、その後彼の電車が出発する時私の友人は彼と目が合って笑顔を見せていたらしい。
これも旅の醍醐味かも知れない。