学生時代のほんの些細なケンカから

兄と5年間ほとんど口をきかず

そのまま高校卒業と共に家を出た

 

実家に帰ったときに

たまたま遭遇すると

すごく気まずい気持ち

 

目を合わせるのも気まずいので

食卓でもずっと下を向いて食事をしていた

 

 

学生時代は

兄は兄で母親とそりが合わずに

毎日のように怒鳴り合っていた

 

近所にも大きな声が響き渡る

 

 

それを見ていたことで

結果的に次男としては

反抗期を迎えるタイミングを失った

 

 

離れて暮らせば

特に用事がない限り話すこともなく

意外に話さなくても困ることはなかった

 

どうしているのかは

聞かなくても親が教えてくる

 

 

 

気づけばまともに話さなくなってから10年以上が経過した

 

いつまでもこのままでいるのも…

そう思って少しずつ話すようにしていった

 

でも久しぶりに会う先輩よりもよそよそしい関係

 

兄弟ってこんなもんなのか

 

 

それからまた約10年の月日が経過

 

 

実家に大きな出来事

 

祖父が入院し、先が長くないと告げられる

 

兄とは少し話すようになっていたが

まだなんとなくよそよそしい

 

 

仕事ではたくさんの人と関わり

部下もたくさん出来て

人と関わる仕事もずっとしてきた

 

 

でも家に帰れば20年以上前からのわだかまり一つ解消出来ていない

 

喧嘩の原因なんてもう忘れてしまった

そのくらい小さなこと

 

二人にとっても大切な祖父が亡くなるかもしれないときに

いつまでも自分たちは何をしているのか

 

 

 

 

祖父のお見舞いの帰りに

 

「時間あれば後でどこか行って二人で話そう」

 

勇気を出して声をかけた

 

 

兄はびっくりした顔をし

ただ間もなくして「わかった、いいよ」と返事をくれた

 

 

今までの想いをお互いにたくさん話した

兄も同じような想いを持っていたようだった

 

すぐには仲良く、というわけにはいかなかったけど

今までのことを考えたら大きな一歩

 

それから兄と、「家族としての関係」が改めて始まることになる

 

 

 

その兄から

先日の誕生日に突然「おめでとう」のメッセージ

 

 

あれからもう数年が経って

その間に二人で飲みに行ったりもした

 

これからの両親とのこと

人に話せないような話

 

特に会話を選ぶことなく話せるようにもなり

何より、すごく信頼しあえる関係になれた

 

 

余計な見栄や嫉妬も変な力が入ったり

そんなことも一切なく

 

何か合ったら精一杯助けたい

そんなふうに思えるようになった

 

 

 

 

 

そんな兄は転職を考えていた

 

・現在の収入や休みなど全てにおいて安定した仕事

・収入が半分くらいに下がってしまうけどやりたい仕事

 

前者は、やりがいは全く感じられない

後者は、最初の収入は低いが頑張り次第で

収入が上がるやりがいのある仕事

 

基本的には安定を求める兄

 

 

 

兄が自分の気持ちに嘘をつかないで

どの道を選ぶとしても折り合いをつけられるように

兄の気持ちが晴れやかになってもらえるように

その一歩を踏み出す手助けをすること

 

それが家族である自分に出来ること

とその時思った

 

占いではなく、家族としての想いと言葉を伝えた

 

「自分がやりたい仕事してる時が一番イキイキしてたよ」

 

そう伝えた

 

 

電話が終わった後に兄からメッセージが一言

 

「ありがとう」

 

 

 

占い師としての人生も

人がイキイキとした人生を生きられるように

 

 

 

ルーカス伽豆海

 

https://twitter.com/lucas_kazumi11