3年前の夏の終わり、僕らの前からいなくなったあの男。


僕らの胸に大きな喪失感を残して・・・。



低迷するチームを”ムービングフットボール”で救ってくれた・・・。


パスサッカーの楽しさ、ポゼッションの醍醐味を教えてくれた・・・。


僕らに2つのタイトルを獲らせてくれた・・・。



そんなたくさんのありがとうをくれた、あの熱き魂の男が・・・


夏の始まりとともに、


横縞の青赤をまとった風林火山の軍師として


青赤の味スタに帰ってくる!


今、万感の思いを胸に、盛大な拍手で迎えよう



お帰りなさい、城福監督



~ TOKYO12 Vol.3 より抜粋 ~




その最後の試合、


私はヤマハスタジアムにいました。


今日こそという希望を持ちながら一人で乗り込んだスタジアム。


やはり勝てずに苦しい思いのまま家路につき


翌朝のニュースで、


城福監督が解任されたことを知りました。


ものすごく打ちのめされた。


サッカーで、こんな落ち込んだことはそう記憶にない。




今だから言えるけど、


私はJ2に降格しても構わなかった。


もともと「J1なんかつまんない」と思って、


見始めたJ2の東京なのだから。


だけど、城福さんと離れるのだけは嫌だった。


J2に落ちても、城福さんと一緒に


パスサッカーを完成させればよいと思っていた。


そのくらい城福さんに魅了されていたし、


他のサポーターや選手もそうだっただろう。


なかなか勝てない中で


それでも城福さんは人気があった。


ちょっと私たちは正気を失っていたかもしれない。




城福さんは、東京のJ1での戦いが終わるまで沈黙を通した。


そして、東京J2降格決定。


直後のエルゴラの特集にインタビューが載っていて、


いつか現場に復帰して


味スタのピッチに敵として戻ってきたとき


まずはサポーターの私たちに頭を下げたいと書いてあった。



あれから3年


2013年7月17日 東京vs甲府 in 味の素スタジアム


とうとう城福さんが帰ってくる!


フラの発表会の直前の練習と重なったり


仕事の入りやすい曜日だったけど


なにがなんでもこの日は味スタへ行こうと思っていた。



そして当日。


城福さんの姿を発見。


すこし涙が滲む。


が、その刹那、東京失点・・・ ガクリ


涙が引っ込む。



城福さんが味スタに帰ってきたこの日は喜ばしいことだけれども、



過剰なプレゼントはしなくてよくってよ?o(-゛-;)



キックオフから1分たってなかったよ?


しばし、戦いに集中しました(笑


なんだかんだで4-1で勝利。


試合後、ゴール裏から


大きな城福コール


ライン際でこちらに一礼する城福さん。


ああ、約束果たしたね。



そのときの心境をどこぞやの記者さんが聞いてくれたみたいです。



Q:ピッチに出てF東京のサポーターや選手を見た時の心境を教えてください


「私は3年前、このチームを去らなければいけなくなった時に


暖かく応援してくれたサポーターに何の挨拶もできずに去っていきました。


必ず一礼するということは、心に決めていました。


だから一礼はしました。


それは礼儀としてその時の感謝の意を伝えたかったからです。


ただし、その一礼の時間だけです。それ以外の時間は甲府の選手とともにあるし、


甲府のサポーターとともにあるので」 JsGOALより抜粋



いやもう息が止まりそうでした。


ああ、城福さんの言葉だなぁと思いました。


この言葉が好きでした。


なにかちょっとしたことがあったとき


城福さんなら、なんていうかな?


と、楽しみにしていました。


彼の口から出る言葉を


私も仲間も大事に大事に反芻していました。






あのあとJ2で大熊さんがきて


サッカーの本質を思い出させてくれて


ポポがきて、


さらにレベルアップしたポゼッションサッカーにワクワクして、


城福さんは絶対の監督ではない、


と冷静な判断ができるようになったにも関わらず


甲府の監督になった姿に


イライラや寂しさや違和感を感じたりしていたけど、


今回のやりとりで、やっと整理というほどではないけど


気持ちが落ち着いたような気がします。




ゴール裏が


城福コールのあと、すぐに


ポポ東京コールをしました。


そう東京は、ポポにくっついてるんだよ。


城福さんには東京がつかないんだよ。


そう、そういうことなんだよ。


そう思えるまで3年かかったよね。


それは城福さんも同じだったのかもしれないね。