東京メトロで移動中、何だか頭が気になって手で触れてみる。
と、そこに何かがあった。
何だろう?
何かが付いている。
手で触っても、なかなか取れず、ソレは心なしかしっとりとしている感じがした。
ガム?
シールの粘着?
急いで取ろうとしているが、簡単には取れない。
張り付くような手応えがあった。
ツーッと、毛流れに沿うようにソレを下に落とすようにすると、何かが下に落ちたようだ。
振り返って確認しようとすると、後ろにいた女性が顔を引きつらせてこちらを見ていた。
え?
何?
何か、おかしなものが付いていたのか?
それを確認してみると、小指の爪くらいの大きさの緑色のコガネムシだった。
モゾモゾと歩くコガネムシ……
頭から落ちたのはコガネムシだったのだ。