ケイティ・アセルトン監督の『処刑島 みな殺しの女たち』2014年イギリスの映画です。

先日、皆殺し系映画の魅力を書きましたが、これもばっちりタイトルに「みな殺し」の入った作品です。

わかりやすようでわかりにくいのが、このタイトルなのですよね。皆殺しされるのは女たちなのか? 女たちが皆殺しにするのか? タイトルからサスペンスがはじまってしまうという優れた作品です。(ほんとうか?)

映画は、女性3人組が無人島にキャンプに行こうとしているシーンからはじまります。1人が2人を騙して誘って計画したキャンプらしく、誘われた2人は大喧嘩をして嫌いあっていたため、港に到着したところで険悪なムードが流れ、ケンカがはじまります。

社会人女性の3人組でしたが、「なんだこれは、スクールもののようなハズレ作を選んでしまったのか!」と、後悔したくらいです。

無人島に到着してしばらくすると、帰還兵の男性3人組が現れ、みんなで夕食兼飲み会をはじめます。

「あー、これはやっぱりハズレ作だったのね……」と、スクール風な雰囲気にうんざりしていたときに、物語の転機が訪れ、処刑合戦がはじまるのです!

オススメ度としては、観たければ観たら?という程度。意外な面白さを発見する人もいらっしゃるかもしれませんよ??? カテゴリーとしては、ホラー色が強いと思います。













ここからはネタバレ!

男女6人グループの1人の女性が1人の男性を誘惑して夜の森に消えて行く……これが転機になるエピソード。

キスをして盛り上がっていたら、そのままはじまるのだろうなというところで、女性が抵抗をはじめ、男性が女性を殴りつけてレイプしようとします。そして、女性が近くにあった石で頭を殴ったところ、男性が死んでしまうというアクシデントが! 殺された帰還兵は、2人の帰還兵の命の恩人だそうで、恩人を殺された2人が激怒して、女性3人を処刑することにするのです。

男2 VS 女3の戦いですが、男性は狩り目的で島に上陸しているので、銃を所持しています。しかも、帰還兵なので、戦闘に慣れていそう。

という条件のもとに、戦いがはじまり、はじめに、女性の1人が銃弾に倒れてしまいます。命拾いした2人は逃げることをやめて、男たちを殺すしかないと決心し、どろどろの戦いが繰り広げられます。

アクションがあるわけでもない素人の殺し合いシーンなのですが、手作りの槍で刺したり、小型のミリタリーナイフでのどを切り裂こうとするなど、素人だからこそ長引く殺し合いは新鮮です。途中、水に塗れた服を乾かすために全裸になって、森の中で武器を用意する2人組の女性のシーンは、妙に新しい感じもしました。

なんだかんだ、最後まで観てしまったのですが、突っ込みどころもあります。

1つ目、2人いるのに、なぜ槍を1本しか作らないのか。両手に1本ずつ×2人前で4本作ろうよ! 最低でも2本は頑張ろうよ!

2つ目、足を負傷した男の寝込みを襲うとき、最後まで匍匐前進で進む必要はないはず。物陰のあるところまで匍匐で進んだら、あとは中腰になって走ればいいのでは?

3つ目、2つ目の男の首を、なぜ、小さなミリタリーナイフで切ろうとするのか。作った槍を首に刺したほうが早くて確実なはず。

4つ目、銃を持っているわりに仕事が遅い帰還兵は一体なんなんだ?

小さなことですけれど、命がかかっているわりにお粗末だなという感じ。実際にそんなものなのでしょうかね。もっとマシな人もいると思うのだけれど(;'∀')

それと、ストーリーとは無関係に5つ目、もっとキレイどころとイケメンを使おうよ! 6人中誰にも魅力を感じないキャスティングでした。

最後になりましたが、はじめに撃たれた女性に関しては、撃たれた本人を確認できない状況だったので、もしかしたら生きていたかもしれないと思ってもいいはず。でも、2人の女性は、彼女が死んだと決めていて、あとから確認に行こうともしないし、2人の会話の中に、「ひょっとして生きてるんじゃない?」という発言もありませんでした。ある意味、この点は突っ込みどころであると同時に、現実をリアルに表現していると言えるのかもしれません。男性のことはわかりませんが、女性って、そういうところがある気がします。

「生きていたとしても、無人島から出て病院に行かなければ死んじゃうし、いつ、無人島から出られるかもわからないから、死んだも同然だし、自分の命も危ないんだからさ!=気にしている場合じゃないよね!」という思考の流れ……

ここだけがとてもリアルに感じられました。