コクな告白

バレンタインが近づいています。バレンタインというと、「告白」がセットになっているところもあると思いますが、実際に告白した人の中の何割くらいがバレンタインを活用しているのでしょう。今まで気にしたことはありませんでしたが、告白イベントに乗っかることで、告白しやすくなったとしても、告白は好きだと思った瞬間の旬なものでもあると思うので、バレンタイン直後に好きになったら、来年まで待つはずがないですよね。待っているうちに、どうでもよくなりそうな気もします。他にいい出会いがあるとか、いろんな可能性がありますからね(;'∀')

ところで、「告白」というと、相手に想いを告げるロマンチックなニュアンスが強そうですが、実際には、「告白逃げ」という一面もあるのではと思います。

「嫌い」な気持ちを告白すると考えるとわかりやすいでしょう。「私はあなたが嫌いです」と、いきなり言われたら驚きますよね。自分が好意的に思っていた人ならなおさらですが、同じように嫌っていた相手に告げられたとしても、かなりびっくりするはずです。「嫌いだとわざわざ教えてくれなくても、こっちだって嫌いなんですけど？」と思うでしょう。「嫌い」と思うことは自由ですが、わざわざ相手に告げる必要があるのかという疑問が湧きます。相手をけなしているような感じになりますしね。

一方、「好き」という気持ちは、「嫌い」とは違い、相手への好意そのものです。ですから、「好き」と告白することはOKと思われがちですが、本当にそうでしょうか？　その告白が迷惑だった場合、相手は告白してきた人をふることになります。告白した人は傷ついて泣いてしまうかもしれません。正直な告白に正直に答えただけなのに、相手を泣かす悪者になってしまうような……。でもそれで吹っ切ることができるなら、「告白逃げ」ということで、告白した人にとってはハッピーかもしれません。一番嬉しいのは、告白した気持ちを相手に受け入れてもらうことなのですけれどね。

「告白」は、する人にもされる人にもコクなものと言えます。気持ちは言葉で伝えないと伝わらない場合もあるので、必要な告白でもあるのですが、告白する人が告白を中止にすれば何事もなく終わることです。だからこそ、告白する人は、相手にフラれたらという自分の身を案じることばかりに気持ちを向けないで、断る相手のことも案じる必要があるでしょう。

相手を想うって、そういうことだと思います。