人はひとりで生まれ、ひとりで死んでいきます。親がいないと生まれることができないとか、ひとりでは生きていけないという問題ではなく、その命のはじまりと終わりは、結局、ひとりで体験していくということです。

死ぬことを恐れる人は多いでしょう。まだ死んだことがないから当然です。だから今、この瞬間を生きているのですものね!

けれど、生まれるときはどうだったのでしょうか? 怖かった? 不安だった? いつの間にか生まれていた? 覚えていませんね。

死の経験のない私ですが、死はおそらく、生まれるときと似た感じなのではと考えています。誰にでも成し遂げられる、誰もが経験するごく普通のこと、それが死なのです。

人はみんな平等だと言いますが、本当にそうでしょうか? 何かに恵まれ、何かに乏しいと考えれば、一生という時間軸の中で平等になってしまうと考えることもできます。受け止め方次第ですね。

そんな中、1つだけはっきりしていることは、命あるものには平等に死が訪れるということです。死に様は置いておいてという話なのですが。

ところで、ひとりで死ぬのは怖いと思う人が多いでしょう。けれど、みんなで死んでも同じだと思います。注射が怖い人は、みんなで注射をすることになったとしても、結局は自分自身が受けることになるからです。

自分が死ぬときは、自分が生きながら築いてきた世界が死ぬときでもあるので、自分をとりまくすべての存在も消えるということでしょう。その人が死んだあとは、その人がいない新しい世界が生まれるのです。