先週の『美の巨人たち』で、谷口ジローの「歩く人」が取り上げられました。

これって画期的だと思うんですね、私は。

 

芸術の分野で取り上げられるマンガといえば、これまでは手塚治虫か藤子不二雄がいいところ。ちょっといい番組で、つげ義春が取り上げられるぐらいでした。

結局、マスメディアの芸術関連の識者はマンガなんか思いっきり下に見ていて、その見識も60年代からアップデートされていなかったようなんです。だからいつまでたっても手塚治虫か藤子不二雄の特集ばっかりでした。

 

ひとこと言っておくと、私は手塚治虫や藤子不二雄が悪いとは思ってはいないんですよ。ただ彼らは、やはり前世紀の作家だと思うのです。

 

それに対して、谷口ジローは少なくとも今世紀の作家ですし、有名な「孤独のグルメ」が爆発するより以前から、知る人は知るすばらしい作家でした。だからこそ、ようやく谷口ジローがきちんと評価されて、マンガ好きの私としてはちょっと嬉しいです。

※ただ、一番に評価していたのがフランス人だったのは、日本人としては恥ずかしいですけれどね。

 

現在の芸術が何をもって評価するのかわかりませんが、マンガの世界のあの人やこの人は、芸術性という面で高く評価してもいいんじゃないかと思うマンガファンの一人でした。