前回 の続き。


その後、ガザ夫さんと二人きりの時間が過ぎて、数十分後。
私は尿意を覚えて、「ちっと雪隠に行ってまいりま~す。」とガザ夫さんに伝えて席を立った。


トイレに向かう途中、先ほどガザ夫さんに話しかけてきた女性二人組みはちょうど帰るところだったようで、
帰り支度をして席を立っているのが見えた。


「とっととお帰りになっちゃってください~」なんて思いつつ、個室に向かったワタクシ。甘かった・・・。

用を済ましてトイレから出てきた私を待つものは『オマエら帰ったとちゃうんかいっ!!』というオンナ共であった・・・。


なにを考えているのか、オンナ共(オンナ1とオンナ2)はガザ夫さんのところで寄り道をしていたのだ。
座っているガザ夫さんを両側から囲む女達。

しかも、オンナ1は座っているガザ夫さんの肩にウデをまわしている?!
しかもやたらガザ夫さんの耳元に顔近づけずぎじゃね?


あ゛? あにやってんだぁ??? と思いながら席に近づいてゆくと、オンナ2がオンナ1に合図をした。
すると、オンナどもは急に「じゃねぇーーーー(はーと)」と言ってガザ夫さんから離れてこんどこそ帰って行った。


つーか、私が近づいくと急に帰るってめーーーーーーーさ気になるんだけど!


ガザ夫さんは、ちょっと疲れたような困ったような表情をしながら、私に小さな紙切れを手渡してこういった。


「こういうの嫌いでしょ。破って捨ててください。」


それは、オンナ1(ガザ夫さんの肩にウデをまわしていた方) の名刺だった。
しかも、名刺のウラにはご丁寧に「あなたには、その彼女ちょっと可愛(幼さ)すぎるんじゃない??連絡待ってる~(はーと)」の手書きメッセージつき。


はぁぁぁ?なぜアナタにそんなご指摘をいただかなくてはいけませんか??

つーか、おいっ!! こんなんいつ仕込みんだんだよ?? って感じでしょう?



私はムカつきのあまり頭にカーーーーーッと血が上り、


「なんで受け取ったりするの?彼女がいるから、こんなもの受け取れないって断ってくれてもいいでしょう!」


とケンカ越しに文句を言った。


ガザ夫さんは冷静に 「確かに、そうすことも可能だったかもしれないけど。場の雰囲気もあって難しいでしょう。僕はあの人このことをなんとも思っていないんだし、ここはさっさと帰ってもらってこの名刺を捨ててしまえばおしまい。そうしようよ。」


でも、私はもうトサカにきてたので彼がなにを言っても気にいらないモード突入なのさ。


「はぁぁぁ?どうして?彼女が大切だってハッキリ言ってよ!!私はそうしてほしかったんだよ。どうしてわかんないの?」


そのうち、ムカつきのあまり店内でおいおいと泣き出す始末である。


ガザ夫さん 「いやな思いはしたと思う。でも僕はこうして君の前にいるし。あの人のことをちっとも気にしてないって分かるでしょう?」


「(私のこと) 分かってなーーーーーいっ!!!」  と、もう嗚咽だよ。 ┐(゚~゚)┌


鼻水はすするわ、涙はあふれるわ、ウェイターさんは好奇の目で見るわ。

すんげーーーーーーーーーかっこわるぅ。

でも、なんだか引っ込みがつかなくなって、ひたすらガザ夫さんに文句を言い続けた。
すこし落ち着いてからお店を出たが、ガザ夫さんのお誕生日はオジャン。
私史上最悪の記念日となったのでした。


本当はわかっていた。
怒りをぶつけるのはガザ夫さんではなく、オンナ1のほうだったと。
そして、名刺を破り捨てろと言ってくれているガザ夫さんは、その場で一番丸く収まる方法を選択したんだってことも。


ガザ夫さんが私の気持ちをくんでくれないと悲しくて泣いていたんじゃなかった。
そのオンナに負けてる・・・と悔しかったし、そんな風に思う卑屈な自分に嫌気が差して泣いたんだ。


オンナ1が私より美人だったこと。 (化粧の技術だったにチガイナイ)
オンナ1が私よりスレンダーでオトナのお色気があったこと。 (当時の私より年上だっただけにチガイナイ。)
オンナ1が流暢な英語で話してたこと。 (たぶん、たいしたことないハズさ。)


つまらないことに負けてると勝手に卑屈にになって、それに捕らわれていた。
でも、卑屈になって考えてることまではカッコ悪くて明かしたくはない。
言わなくてもわかってよ~!そして私に自信をちょうだいよ~と駄々をこねただけ。  

(あぁ、ほんとーに情けない・・・。)


ガザ夫さん、年は8歳上で、仕事でもとてもかなわず、日本語も流暢にあやつり、いつもオトナで(彼がキレたところを見たことがない)、優しくてちきんと少しきびしかった。


私は、それだけ年上の人とお付き合いをするのが初めてで、外国人とお付き合いするのも初めてで、英語も話せず、なんだかいつもつまらないことを比較ばっかりしていた。

そして、ガザ夫さんにかなわない、あの女性にはかなわないと他の人と比較しては卑屈になってたことが多かったと思う。そして、どうしてこんな何もできない私が好きなのか?と疑い、いつかつまらないから振られちゃうのでは?と勝手に不安になっていたんだと思う。

ガザ夫さんはいつも「人はそれぞれ得意分野が違ってて面白いし、比べても仕方ないよ。私は今のアナタを好きになったんですよ。」と言ってくれてたのにな。


ありがとうガザ夫さん。

時間がかかったけど、ガザ夫さんの言ってたことをやっと受け入れられるようになってきたと思う。
時には自分のダメさ加減にげんなりすることもあるけど、今は私は私なりにOKだよー!と開き直ることができるようになった。
(歳をとると神経も図太くなるね~。ぶふ)

そんなわけで、ながーくなってしまったが、
この事件を境に私は六本木フォビアである。
カップルでも彼氏がナンパにあう(特に外国人限定と思われ)という恐ろしい場所、六本木。
今後も積極的に足を踏み入れることはないであろう。
(まったく個人的な被害妄想ですが。ぶふ。)


もしオンナ1に再会するなら言いたい。


「てんめー、人様の彼氏をナンパしてんじゃねー!!性格悪いんだよぉぉぉー!!」


そして、個人的な恨みで鶴のマークのエアも乗らない。
理由は、あの時の名刺思い出して腹が立つから。ぶふ。
(本当は格安チケットでも高いから乗れないという真実。ぶふ)


さて、そんな素敵な(?)思い出のあるガザ夫さん。
「あなたのことは大好きだけど、私は豚肉を捨てることはできないの!!」という迷セリフでお別れした。