こころよ。
では、行っておいで。

しかしまた、もどっておいでね。

やっぱりここが、いいのだに。

こころよ。
では、行っておいで。

八木重吉

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心は、肉体から出し入れするから育つもの。

自分だけの内に拘束していては、
誰の心とも触れることはない。



愛と呼んでも、心と呼んでも、
わたしと呼んでも、君と呼んでも、

なんと呼んでも構いはしないが、

所有権は本当は誰にもないのだよ。
もちろん、自分にも。


自分の心は、自分だけのものだと、
思っている人は色々苦しい。


解放することを知らないから。

自分のせいだと考えすぎるから。

自分の心を責めすぎるから。



自分の心は、自分の所有物ではなく、

自分が『単なる担当者』なのであって、



もとはひとつの『LOVE』だったのだよ。





どれだけの感動を、
自分が担当している心に感じさせてあげられるか。


どれだけの経験を、
自分が担当している心にさせてあげられるか。


どれだけの強さを、
自分が担当している心に持たせてあげられるか。


どれだけの優しさを、
自分が担当している心に向けてあげられるか。



それが出来れば、
人に優しくの意味も分かる。
人を愛する意味も分かる。



すべてを愛する意味も分かる。


人はみな、修行中の身。
もちろん私も。