昔々、私がまだ少女の頃、
深夜にTVで、
『ジョニー・スウェード』という、
ロカビリーなラブロマンス映画を観た。
ほんとに、たまたま。
一目惚れ。
なんなの、この男子!
なんなの、この笑顔!
なんなの、この声!
なんなの!
この、わたしの気持ち!!
当時、確か中学3年生だった私は、
本気で彼に、恋をした。
映画の最後に、
エンドロールで流れる、
この俳優の名前が知りたくて知りたくて、
明け方まである放送をじっと見守る。
…出た!
彼の名は、Brad Pitt.
これがいったい、
いつの作品なのかも知らない私は、
その作品の雰囲気から、
おそらく古い映画なんだろうと思い、
じゃあ今はもう、
オジサンなんだろうなぁと思い、
それでも、
他の作品が観たくて、
とりあえずまず、本屋に走る。
『ロードショー』という雑誌を買い、
Brad Pittを探す。探す。探す。。
ない。
ああ。やっぱり。
もしかしてもう、
この世に居ないの!?
それでももう、
毎日毎日頭の中は、
Brad Pittでいっぱいで、
くる日もくる日も、彼を想う。
数ヶ月後。おそらく数年後。
TVCMで、最新映画情報が。
!!!
あっ! Brad Pittだっっ!!!
そりゃ行くしかないでしょう!
観るしかないでしょう!!
親の同伴無しで、
映画館に行ってはいけないという、
?な校則のある学校に行っていたので、
私は父を誘い、
その映画を観に行った。
内容なんで、どうでもいい!
ラブシーンもあり、
隣で気まずそうに座る父。
そんなん、関係ない!
お構いなしに、
私はもう、Brad Pittに釘付け。
メロメロ。
帰りに私は、
自分がどれだけ彼が好きか、
熱く父に語ったのを覚えている(笑)。
父は言った。
『なぁリサ、確かに男前じゃけどなぁ。。
体臭、すげぇぞ。ゼッタイ。』
ふたりで大笑いした。
『でもなぁお父さん、
私あの人なら我慢出来るわぁ。』
『おぉ、そうか(笑)。』
そしてそれから、
Brad Pittは当然のように、
日本で大ブレイク。
ブラピとか、
呼ばないで馴れ馴れしい!
とか思いつつも、
次々と新作が海を渡って
公開されるたびに、
私も父を連れて
(同伴者が要るからね)
映画館へ。
そして、
辞書を片手に
英語でファンレターを書きまくり、
本人からの返事は当然ないものの、
いつか、いつかと願う。
高校3年生。
私は、ビバリーヒルズにある、
語学学校に行きたくて、
自分で資料請求をした。
願書も全部自分で書き、
父にそれを伝えた。
『お母さんがええって言えば、
お父さんは、ええよ。』
さて。
母になんて言えばいいのか。
私が留学したい理由。。
父は、ほんとの理由は知っている。
どれだけ、彼が好きかも(笑)。
母に、嘘はつけない。
話を切り出すと、当然、
理由を聞かれた。
なぜ、その学校なのかも。
『…あのなぁ、お母さん、
ブラッドピットっておるじゃろ。』
『で?』
『いや、その…
ブラッドピットってなぁ、
ビバリーヒルズに住んどるんよ。』
『…はぁ。で??』
『うん…いやぁ。あの~、
ビバリーヒルズ行ったら、
会えるから。』
『はぁぁ~⁉』
…撃沈。
そんな訳の分からない理由で、
大金を出す親のことも考えなさいと、
ひどく怒られた。
私は、泣きながら父に言った。
『こんなに好きなんよ、
どうしよう。』
父は笑いながら、
『リサなぁ。
オトナになっても好きじゃったら、
自分で叶えりゃええ。
今は仕方なかろう。』
『…分かった。そうする。』
『お母さんはそりゃなぁ。
なかなかなぁ(笑)。』
『絶対、結婚するんじゃ!』
『でもなぁ、体臭すげぇぞ。』
また、ふたりで大笑い。
そののち、彼氏が出来て、
父に紹介するたびに、
『おいリサょ、
どこらへんが
ブラッドピットに似とんな?
鼻の穴か?』
などと毎回からかわれながら。
時は流れ。
大好きな人に出会い、
この人の子供が欲しいと願い、
ブラッドピットは殿堂入り。
最近、気づいたことがある。
私の父は、
ブラッドピットに似ている。
そして私の母は、
アンジェリーナジョリーに。
見た目ではなくて、
スピリットが似ている。
自由奔放で、慈愛に満ち、
人のために活動することに
自分の喜びを見出す、
自立心のあるタフな女性を、
心から愛し続け、
いつも一緒に居なくても
気持ちはいつもそばに置き続け、
精神的に見守る男性。
そして私の娘は、
そんなふたりの娘に似ている。
だから、
私の願いは叶っていたのだと。
無条件に心惹かれる人には、
必ずなにかの、
目に見えない意図がある。
糸がある。
それを紡ぎ出すことで、
見えるもの。
強い強い、遺伝子レベルでの、
絆、伝承、継承。
そうして人は、進化する。
父とブラッドピットと、
最愛の人へ、
愛と感謝を。
深夜にTVで、
『ジョニー・スウェード』という、
ロカビリーなラブロマンス映画を観た。
ほんとに、たまたま。
一目惚れ。
なんなの、この男子!
なんなの、この笑顔!
なんなの、この声!
なんなの!
この、わたしの気持ち!!
当時、確か中学3年生だった私は、
本気で彼に、恋をした。
映画の最後に、
エンドロールで流れる、
この俳優の名前が知りたくて知りたくて、
明け方まである放送をじっと見守る。
…出た!
彼の名は、Brad Pitt.
これがいったい、
いつの作品なのかも知らない私は、
その作品の雰囲気から、
おそらく古い映画なんだろうと思い、
じゃあ今はもう、
オジサンなんだろうなぁと思い、
それでも、
他の作品が観たくて、
とりあえずまず、本屋に走る。
『ロードショー』という雑誌を買い、
Brad Pittを探す。探す。探す。。
ない。
ああ。やっぱり。
もしかしてもう、
この世に居ないの!?
それでももう、
毎日毎日頭の中は、
Brad Pittでいっぱいで、
くる日もくる日も、彼を想う。
数ヶ月後。おそらく数年後。
TVCMで、最新映画情報が。
!!!
あっ! Brad Pittだっっ!!!
そりゃ行くしかないでしょう!
観るしかないでしょう!!
親の同伴無しで、
映画館に行ってはいけないという、
?な校則のある学校に行っていたので、
私は父を誘い、
その映画を観に行った。
内容なんで、どうでもいい!
ラブシーンもあり、
隣で気まずそうに座る父。
そんなん、関係ない!
お構いなしに、
私はもう、Brad Pittに釘付け。
メロメロ。
帰りに私は、
自分がどれだけ彼が好きか、
熱く父に語ったのを覚えている(笑)。
父は言った。
『なぁリサ、確かに男前じゃけどなぁ。。
体臭、すげぇぞ。ゼッタイ。』
ふたりで大笑いした。
『でもなぁお父さん、
私あの人なら我慢出来るわぁ。』
『おぉ、そうか(笑)。』
そしてそれから、
Brad Pittは当然のように、
日本で大ブレイク。
ブラピとか、
呼ばないで馴れ馴れしい!
とか思いつつも、
次々と新作が海を渡って
公開されるたびに、
私も父を連れて
(同伴者が要るからね)
映画館へ。
そして、
辞書を片手に
英語でファンレターを書きまくり、
本人からの返事は当然ないものの、
いつか、いつかと願う。
高校3年生。
私は、ビバリーヒルズにある、
語学学校に行きたくて、
自分で資料請求をした。
願書も全部自分で書き、
父にそれを伝えた。
『お母さんがええって言えば、
お父さんは、ええよ。』
さて。
母になんて言えばいいのか。
私が留学したい理由。。
父は、ほんとの理由は知っている。
どれだけ、彼が好きかも(笑)。
母に、嘘はつけない。
話を切り出すと、当然、
理由を聞かれた。
なぜ、その学校なのかも。
『…あのなぁ、お母さん、
ブラッドピットっておるじゃろ。』
『で?』
『いや、その…
ブラッドピットってなぁ、
ビバリーヒルズに住んどるんよ。』
『…はぁ。で??』
『うん…いやぁ。あの~、
ビバリーヒルズ行ったら、
会えるから。』
『はぁぁ~⁉』
…撃沈。
そんな訳の分からない理由で、
大金を出す親のことも考えなさいと、
ひどく怒られた。
私は、泣きながら父に言った。
『こんなに好きなんよ、
どうしよう。』
父は笑いながら、
『リサなぁ。
オトナになっても好きじゃったら、
自分で叶えりゃええ。
今は仕方なかろう。』
『…分かった。そうする。』
『お母さんはそりゃなぁ。
なかなかなぁ(笑)。』
『絶対、結婚するんじゃ!』
『でもなぁ、体臭すげぇぞ。』
また、ふたりで大笑い。
そののち、彼氏が出来て、
父に紹介するたびに、
『おいリサょ、
どこらへんが
ブラッドピットに似とんな?
鼻の穴か?』
などと毎回からかわれながら。
時は流れ。
大好きな人に出会い、
この人の子供が欲しいと願い、
ブラッドピットは殿堂入り。
最近、気づいたことがある。
私の父は、
ブラッドピットに似ている。
そして私の母は、
アンジェリーナジョリーに。
見た目ではなくて、
スピリットが似ている。
自由奔放で、慈愛に満ち、
人のために活動することに
自分の喜びを見出す、
自立心のあるタフな女性を、
心から愛し続け、
いつも一緒に居なくても
気持ちはいつもそばに置き続け、
精神的に見守る男性。
そして私の娘は、
そんなふたりの娘に似ている。
だから、
私の願いは叶っていたのだと。
無条件に心惹かれる人には、
必ずなにかの、
目に見えない意図がある。
糸がある。
それを紡ぎ出すことで、
見えるもの。
強い強い、遺伝子レベルでの、
絆、伝承、継承。
そうして人は、進化する。
父とブラッドピットと、
最愛の人へ、
愛と感謝を。