仲間達と楽しく過ごした小学生時代が懐かしい。
あれから僅か15年で何もかも変わったしまった。
第三次世界大戦は簡単に勃発した。
私達がそれを食い止めようと必死に奔走しても駄目だった。
無力感に嘆いてる暇はなかった。
私は気持ちを切り替えて、日々、研究に勤しむことが平和への最短距離だと思っていた。
だが、日常の崩壊は遂に私の所までやってきた。
会いたい人達には会えず、会いたくない人に会ってしまう皮肉。私は運命を呪った。
「源くん、君も強情だね。そんなに僕に…イヤ、我が政府に協力したくないかい?」
(我が政府?)
彼とは小学生からの幼友達だった。
「天才」と呼ばれ続けていた彼の背中を追うのが、私の学生時代そのものだったのかもしれない。
でもそれは敬愛の域を越えることはなかった。
優秀な彼は年を重ねるごとに増長していくことに嫌悪感を憶えていた。
そして私の心の中には、完璧過ぎる彼よりも、脆弱過ぎるほどに優しいあの人の方が…。
「たかだか一介の研究員に過ぎない私に、政府一のタカ派の青年支部長様の貴方が何のようかしら?」
私は精一杯の悪態をついたつもりだった。
彼の『目的の為になら手段を選ばない』姿勢は少しずつ酷くなってきたからだ。そして私は彼と距離を置くことになったが、まさかこんな形で再会するなんて…。
「勿論、駆け出しの科学者の源くんに何も期待してやいないさ。
ただ…君が『ブルーキャット』の構成員なら話は別さ…。」
「どうして…それを…!?しまっ…!」
「なぁ~んだ、やっぱりそうだったのか♪。」
「違うの、やめて。やめて!」
「これで確定だな。連行しろ。スパイ容疑だ。
そして、この女の両親の監視も怠るな!」
「やめて!パパとママは関係ないわ。」
そう、戦争を推し進める政府要人の彼は、私と幼友達であることを理由に近づいてきた。
だが、最初から『ブルーキャット』の秘密を探り、『あの力』を政府の戦力にしたがってたからだ。
苦悩と悔恨が頭を過る中、救いの声は意外な所から来た。
「待て!この研究所は、たった今、我が骨川コンツェルンが買収した。
政府の犬ごときが、私の大切な職員に触るな!」
(続く)
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はい、あの国民的漫画の二次創作小説です。
彼女のお父様は数学者との説もあるので、将来は科学者の道を選んだって設定です。
今後、入浴シーンがあるか未定です
頑張って完結まで書きたいですね。