どれほどの恋に敗れただろうか
どれほどの涙を流しただろうか
この恋をも失った
最後の恋と思っていたのに
真実の愛はまだ見つからない
そして僕はわかってしまった
人は決して恋に絶望しないということを
「あの人は私の全てだった」
「命だった」
「かけがえのない存在だった」
と繰り返しても…失恋は決して絶望に帰結しない…。
人が本当に絶望する時は
「絶望しない自分を知った時」
だからだ
どれほどの誤魔化しを並べただろう
どれほどの慰みを用いただろう
「ささやかな幸せ」
「等身大の日常」
「何気ない笑顔」
思った以上に傷ついていない自己自身がそこに居る
確かに居るのだ
「あの人はかけがえのない存在というほどではなかった」
との結論が、中途半端で不完全な自己自身を嘲笑う
狂おしいほどの恋がなくとも
締め付けるほどの焦燥を感じなくとも
僕は命の息吹を感じてる
…あの恋に絶望出来なかったから…。
そんな自分に絶望する
そして僕はまた恋に堕ちることを躊躇しない…。
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はい、詩のカテゴリーに入るかは不明ですが、思ったままに書いてみました。
元々は小説のキャラクターで詩人が居て、作中で述べるはずだったのですが、話がまとまらず頓挫しました(笑)。
書きかけを発表して皆様にご迷惑をかけるよりは良かったかな…。
勿論、察しの良い読者さまはお気づきでしょうが、「絶望」はセーレン・キルケゴールの「死に至る病」を参考にしていいます。