先日、阪神タイガースの藤浪晋太郎投手が日本プロ野球界6人目となる球速160kmを記録しました。
過去に160kmを記録した投手は、
日本ハム 大谷翔平選手
ロッテ 石川歩選手
巨人 マシソン選手
元ヤクルト イム・チャンヨン選手
元横浜・巨人在籍 クルーン選手
です。
この六人に共通してることがあります。
それは…。
「六人全員右腕投手」
ということです。
はい、未だに日本プロ野球の歴史で、左腕投手は160kmのボールを投げていないのです。
ある研究によれば、左利きの人の割合は
「約10.8%」
と、あります。
40人の教室なら4人くらいです。
サッカーが出来る11人を集めてようやく一人くらいの割合です。
しかし、プロ野球選手における左投げ選手の割合は
「26.2%」でした。(確か2013年開幕データ)
これはやはり、チームが積極的に左腕投手を獲得する傾向があるからですね。
先発投手六人の枠が左右で三対三なんてことがありますからね。こうなると比率は「50%」まで上がります。
なのに、何故、左腕投手の「超速球派」が居ないのか?
この謎を解き明かすヒントが漫画「メジャー」の中のセリフにありました。
「あいつ、左投げにしては速いな…。」
です。
左投げ投手は稀少です。
左投手はその球筋だけで既にアドバンテージなのです。
「対戦する機会が少ない」に加え、特に相手が左打者だと、背中から球が入ってくる様に見え、特に打ちにくくなります。
「左対左」が投手有利なら、「右対右」も同じでは?ってなりますが、右打者は右投手の対戦に慣れています。しかし、左投手としては右投手と対戦することは百も承知なので、対戦を苦にしません。
そんな「左ってだけで有利」に対して、右投手は、熾烈な右投手同士の競争の中で、凡庸な球筋で違いを生み出すには、球の速さが求められるってわけです。
そして上記六人のうち、石川歩選手以外の四人は身長190センチを越え、イム・チャンヨン選手は横手投げでした。
つまり、「右投げで投手であり続けるには、速い球が要求される」ってわけです。
これが先ほどの「対戦の稀少さ」を当てはめると、右投げの横手投げや下手投げの選手は居ますが下手投げの左腕投手は長いプロ野球の歴史で未だに誕生してません。横手投げの左腕投手でさえ稀少中の稀少です。
160kmの可能性がある左腕投手は楽天の松井裕樹選手です