(東瀬の心の声)「…うん、そうなんだ…。
引っ込み思案なノノよりも、私の陰に隠れてた慎太郎よりも、実は私が一番弱虫なんだ…。
付かず離れずの位置で慎太郎とずっと一緒に居たいと思ってた。
私の気持ちが知られて関係が壊れるのが怖いクセに、慎太郎が他の誰かを好きになるのを許せないなんて、私って最低…。
しかも、私は親友のノノに『諦めてほしい』って気持ちをまだ僅かに抱いてる。
誰がどうするかじゃなくて、私がどうしたいかを、自分で決められないなんて…。
駄目、ノノに『慎太郎を諦めて』なんて言えない…。
だって慎太郎は私なんかより…。」
(のの香の心の声)「いいの?美由紀ちゃん、本当にそれでいいの?
美由紀ちゃんは私にさえ、本当の気持ちを伝えてくれないの?
ごめんね…金城くんは『今はまだ』私よりも美由紀ちゃんの方が好きなのは知ってるよ…。
でも、そんなの…時間の問題なんだから…!」
(早乙女の心の声)「あぁ、もう!相変わらず火付きが悪いなぁ!
貴川西の女王は私よ!
男子に隠れファンが多い東瀬さんは早めに潰させてもらいます!
玉野君こそ、私に相応しい王子様よ!
私と藤田さんに敗れた貴女は醜いカエルさんになってもらうからね!」
(下座から上座の金城の隣に強引に座る早乙女)「金城く~ん、こんな凶暴マネージャーは放っておいて、藤田さんの質問に応えてよ~!ねぇ、どの女の子に隣に座ってほしい?私じゃ駄目ぇ?」
(慌てる金城は東瀬の視線を怖がり)「うわぁ、早乙女さん、相手が違うよ、君は秋成と…。」
(マッハで駆け寄るのの香、金城に抱きつく早乙女を必死に引き剥がしながら小声で)「ちょ、早乙女さんやり過ぎです!こんなの打ち合わせになかった…あ゛っ」
(静かに詰め寄る東瀬)「ふ~ん、打ち合わせねぇ…。」
(のの香)「ち、違うよ美由紀ちゃん、これは…。」
(高笑いする早乙女)「違わないわよ、あたし、金城くんも好きで~す!」
(怒る相手を間違える小宮)「コラ~!俺の早乙女さんから離れろー!
お前はさっきみたいに玉野とディープキスしてりゃいいだろう!!」
(視線を下に落とすその他の部員、キョトンとする早乙女と藤田)「え?あの…金城君と玉野君がディープキス?どういうこと?」
(東瀬の心)「小宮君のアホ!
それを言っちゃったら今までの心理戦の意味ないでしょうが!」
(突然、襖が開き秋成登場)
「…残念ながらディープではない…。」続