スールシャール宮殿内庭園
「…随分と都合の良い話ですね…。。
アンナ先生が気持ちを伝える相手は俺じゃねぇでしょ。
学者や作家として成功するまでは、散々『支援』してもらったんですよね?」
「ジョンとは…利害が一致してるだけだよ…。
今日、僕をここに連れてきたのも、国民から人気のある僕を政治利用したいだけさ。
そんな事よりロイ、君の目には僕はどう映ってるか教えてよ♪
君が愛する人よりも僕は魅力的な女に見えるかなぁ?
いきなり将来を誓えなんて言わないよ。
そもそも僕は結婚制度にさえ懐疑的だ。
でも…自分が本当に女として生まれて来た意味…を…ロイの手…で知りた…いんだ…。」
「おいおい、俺達は昨夜にはじめて…。」
「永遠に感じる一晩なんて、人生に何度かあるよ。」
「カイザー丞相にそう言えって命令されたのか?」
「どうしてそんなに疑うの!だからそんな関係じゃないって!
だって僕達は…。」
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王宮内会議室
「さあて、カイザー丞相。
そろそろ教えてくれんかの?
こんな年寄りをここに同伴させた理由を。
ただの宗教会議が目的ではなく、ワシの背後にあるカトリック総本山を政治利用したいんじゃろ?」
「流石はグレゴリウス司教様は千里眼をお持ちだ。
はい、何も難しい要求ではありません。
午後の会議での私の発言を追認してくだされば結構ですよ。
それだけでリーセ王国の各司祭にはグレゴリウス様を…。」
「票を買ってまで枢機卿の椅子には興味ないと言うておるであろう。
それにキャラガー君の居る場所で大丈夫なのかえ?」
「外務大臣の『乱入』は想定外でしたが…彼とは最終的な着地点は同じのはずなので…。
それに枢機卿選の票集めは、キャラガー外務大臣からの進言でございましたので…。」
「おい、人聞きが悪いなカイザー丞相!俺はいっそのことリーセ王国をプロテスタントに国教化するぞって揺さぶりかけてみな?って提案しただけだぜ。」
「ほっほ、狸が二匹か…。
本当は君達の様な者が国を支えてるからこそ、王子と王女は美しい。
だからこそ両国の国民は二人が結ばれることを望んどるようじゃが、双方に切羽詰まったようじゃの。
構わん、いつも通り美少年を都合つけてくれりゃ、ワシは何でも事後承諾じゃ。」
「わかりました。では聖歌隊見習いという形で…。」
「そうまでして『自分の娘』を王家に嫁がせたいか…。ミユキちゃんの娘が大きくなったもんじゃ」
続