プリンシバリティーズ(権天使)は、聖書の「支配」という言葉を根拠とする天使の階級である。
ほかの天使達を権勢をもって率いていくものだとされた。
大グレゴリウス(6世紀末の教皇)も、下位の天使の統率をその役目であるとした。
一般には、宗教の保護者であり、地上の監視者である。
また、科学や芸術のひらめきを司る天使でもあるという。
王冠と王笏を持ち、地上の王国を任されていることを示している。
権天使は地上の都市と国家のリーダーを見守る天使。
指導者達が正しい行いをしているか常に監視する天使だ。
性格と働き
指導を司る。
下位の天使達の統率。
担当天使が各国を支配する。
宗教の守護者。
地上の監視者。
科学や芸術の閃きを司る。
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以上が文献によるプリンシバリティーズ(権天使)の記述です。
この下から三番目、九段階の七番目の権天使までが「下位天使」とされます。
前述のエンジェルズ、アークエンジェルズが直接「個人」と関わるのに対して、プリンシバリティーズは「国」や「宗教」などの「人間社会全体」を守護する色合いが強いと思います。
また、国家元首を見守る辺りが、キリスト教の支配者階級に都合の良い解釈とも思えます。
やはりこれはプラトンの「大学」への想い、「知的専有による理想的社会の実現」が強いと思います。
古代ギリシャは確かに民主主義国家でありました。
古代ローマも民主主義から帝政にシフトしました。
奴隷を抱えていて「民主主義」は議論の余地があるでしょうが、名ばかりの投票による「衆愚政治」は現代日本においても襟を正す部分はあるかと思います。
私の作品では権天使は未登場です。
登場させるならば、あからさまな中間管理職の太鼓持ちに描くかもしれません(笑)。
宇都宮真樹の警察側には、天使がたくさん入りこんでる描写がありますので、次はナースの里見愛側の上司として権天使を登場させるのも面白いかもですね。
なお、この「閃き(ひらめき)を与える」に注目してください。
前述のアークエンジェルズは「神の啓示」を担当しましたが、個人の科学や芸術のひらめきを与えるプリンシバリティーズの方が上位なのです。
これは、一々大天使が姿を現して神の言葉を告げるより、人間が人間の努力の末に、ひらめきへとたどり着くことへの賛美だと思います。
また「何故、神は人間を完璧に創造しなかったのか?」の答えだとも思います。
続