あくまでメモなんだからね!
大天使ウリエル
「音楽の天使」としての穏やかな一面と、
「懲罰天使」として異教徒と罪人を火にくべる役を担う厳しい一面も持つ。
また「神義論」の問答役として、
「全能の神がこの世を創ったならば、何故、悪は存在するのか?」
という問いに対して、
「苦悩を通らなくては歓びに至れない」
と答えたのもウリエルである。
また、ミルトンの「失楽園」ではサタンに騙され、楽園の道を教えてしまう。
8世紀半ばには「悪魔の一人」とされたこともあり、その人間臭い両面こそウリエルの魅力であり、取り分け魔界では、実直なミカエルや潔癖なラファエルに比べて
「話のわかる姐さん」
として人気者の天使である。
人間に化けて刑事として暮らす宇都宮真樹も、警察官らしくない破天荒ぶりが魅力であり、度々、雑貨屋店員である弟の佐田星明(大魔王サタン)を事件に巻き込み困らせる。
****
「ウリエル様。
お気持ちはわかりますが、サタン様の仰るとおり、身分は隠した方がいい…。」
「そっかぁ、『普通の』警察官が来て、ロケを中止したら意味ないもんね…。
『こっち側』の関係者を上手く誘き寄せないと…。」
テレビの収録までまだ時間があり、私達四人はカフェで作戦を練った。
「ま、まさかサタン様が人間界で一年以上も暮らしてるなんて…挨拶もまともにせず…。」
「構わぬ…。
バルバトス(ロビン店長の本名)とは袂を分かったが、余はあやつに一定の敬意を払っておる。
アンドロマリウス、彼の下で働き、余より長くその肌で人間界を知っておるお前を信頼しておるぞ…。」
「サタン様…。
勿体無いお言葉であります…。」
「それより、公安の能代って何なの?
言いがかりとでっち上げで近藤くんを拘束したばかりじゃなく、私にえっちぃ画像付きの念話送るし、既婚者のクセに真利子ちゃんとそういう関係なんてホントにクズね!」
「しかも、『大天使ウルエル』って真名を呼ぶとわな。
そこそこ強者の妖怪か、はぐれ悪魔辺りだろうと踏んでたがぁ、念話が使えるならやはり…。」
「ええ、姉さんと私の結論は…。
『能代王明は天使』」
「そんな…じゃあ、能代さんは最初から私を悪魔・アンドロマリウスと知りながら…。」
「あぁ、お前の『裏取引の看破』『盗品奪還』の力に目をつけて利用したんだろうさ。」