
数少ない友人の中にローセンキラーという喜劇俳優がいました。
これはとても興味深い事実です。
古代ギリシャの哲学者ソクラテスが裁判にかかった時、ソクラテスの弁護人として弁護側席にただ一人座った人物がいました。
彼の名はアリストファネス。職業は喜劇作家です。
そしてキルケゴールはソクラテスに関する論文を書いています。
つまり私は
「ユーモアは哲学の弁護人である。」
と主張したいのです。
デカルト、スピノザ、ライプニッツ、カント、ヘーゲル、ハイデッカー。
優秀な哲学者は沢山いても、私がキルケゴールを選択した理由はただ「面白い」からにほかなりません。
ソクラテスは月はただの石で、太陽はただ火が燃えてるだけと主張しました。(勿論、それ以前の学者達が近いことを主張してきた流れはあります)
ソクラテスは「太陽が神話に登場するアポロンそのものでない」、と主張しただけですが、
「神を信じず、若者を惑わせた罪」
で告訴されます。
若者がソクラテスの主張を広く知る様になったのは、上記の喜劇作家アリストファネスが喜劇「雲」においてソクラテスの学説を俳優に演じさせたからです。
舞台上のソクラテス役の俳優は端から端まで面白おかしく走り回り、雲の上から地上を見れば、大地は沢山の石が集まって出来ているように、月も石が集まった姿に違いない、と舞台の中で訴える劇の内容でした。
また、私生活においてもアリストファネスは、ソクラテスとその弟子達を自宅に招き、彼らに自由に討論させていました。
ここで言う「面白い」は英語のinteresting (興味深い)ですね。
今の日本の風潮ではfunny(可笑しい)のみが追求される傾向がありますが。
バカ騒ぎするお笑い芸人よりも、アナウンサーがさらりと吐く毒の方が面白いと思えるのと同じですね。
私が20代前半の頃に、SMAP×SMAPでゲスト相手に切れ味良い突っ込みをする木村拓哉さんを「面白い」とバイト仲間に言えば、「え?どこが?香取くん(パフォーマンス)や草なぎ君(天然ボケ)の方が面白いじゃん。木村拓哉がテレビで面白いこと言ってる?」と切り替えされ、唖然としました。
「突っ込みは観客の心の声」明石家さんまさんの言葉です。
私は自分の哲学を伝える為に、自作小説に笑いの要素を盛り込んでいます