島敦子の独り暮らしのアパートにて
敦子「やっぱり、最強の忍者って服部半蔵なの?」
彩「主君家康に天下をもたらせたっていう『成果』では最強でしょう。
しかし、個人の戦闘力としては『飛び加藤』(1503~1569)に並ぶ者は居ないと考えます。」
敦子「飛び加藤って創作キャラじゃないの?」
彩「いえ、上杉謙信に仕えていましたが恐れられ、その後武田に仕えたがやはり警戒され、家臣の土屋昌次が、彼が厠に入った所を後ろから刺したそうです。
ある漫画では山本勘助率いる鉄砲隊に蜂の巣にされる最期でしたが…。」
敦子「忍者一人に大名家総出で討伐するんだから、それだけで脅威ね…。」
彩「はい、『跳躍に優れた加藤段蔵』で飛び加藤と呼ばれたそうですが、他にも雨の戦場では無敵で、大軍の兵士全員に大洪水の幻を見せて、困惑している者を冷静に一人ずつ斬り捨てたそうです。」
敦子「怖~い。南部ちゃんはそんな幻術使えないよね?」
彩「当たり前です!自分にそんな技量があればもっと実戦で…。」
敦子「実戦?」
彩「いえ、夜の実戦ではありませんよ!サッカーの試合にってことです!」
敦子「(大分勘が良くなったわね…)
そっか、甲賀忍者の南部彩様は薬の調合が得意だもんね?」
彩「はい、幻術が得意なのは風魔忍者です。また、くの一の秘伝の夜の技も、風魔忍者は飛び抜けていたそうです。」
敦子「飛び加藤が常陸出身で、風魔が関東拠点なのも納得ね。しかも家康の側室のお茶阿の方も半島出身で超絶テクの持ち主だったらしいし。」
彩「しかも風魔は半島からの渡来人なのです。高麗の言語がそのまま一族の暗号だったそうです。
そして個人の技量差はあるにせよ、伊賀忍者は爆発物に、甲賀忍者は毒物に秀でていました。多分、『毒』のイメージが後世の創作で甲賀=悪と印象付けられたのでしょうね。」
敦子「わかるわ、トリカブトで毒殺する忍者が主人公って絶対嫌よ!」
彩「では、この薬の差し入れも要らないのでしょうか?」
敦子「あ~、ごめんなさい!それは要るの。彼との甘い夜の必須アイテムが…。」
彩「彼氏さんのアレを強くする薬より、島さんの性欲を抑える薬を調合した方が世のため人の為の気がします。」
敦子「じゃあ、私の彼氏がお店で買ってきてくれた禁断の拘束グッズは要らないの?」
彩「ほ、欲しがったのは蒼磨様です!」
敦子「でも楽しみなんでしょう?」
彩「はい。」終