「あ、あの取りあえず何処から突っ込みを入れたらいいかわからないです…。」
合コンが再開されたのはいいですが、狐火の幻術から目を覚ました各々は申し合わせた様に席に座り…。
「ごめんね、お姉ちゃん。
みんなの希望を叶えたらこうなっちゃって~。」
(だからお姉ちゃんとか言うなです!)
「いえ、河野さんは私が隣で嫌ではないですか?」
「全然構いませんよ。
看護師の里見さんとは、母子の養育問題を巡って深く話し合いたいと思ってました。」
「え~、子供が巻き込まれる事件なら刑事の私とお話しようよ~。」
(ウリエル、天使が商売女の様な態度を取るなです!)
私に話しかけようとした保育士の河野さん。
しかし、河野さんの反対側の隣から強引に腕を掴んで話し始めたのは妹のウリエルです。
そうです、最初は男女が横並びに向かい合って喋っていたですが、「席替え」と呼ばれる儀式は暗黙の了解で始まり、それぞれが想い人の近くを狙う思惑が画策してるです。
その席順は
真樹 蔵間
河野 沙代理
愛 井成
鬼頭 明日香
と上記の位置に落ち着いたです。
最年長で落ち着いた雰囲気の保育士・河童の河野浄一郎さんが私を含めた三人囲まれるというのも驚きの状況ですが、それ以上に驚きは…。
「明日香姐さん、一体何があっのよ~?」
「そうよ明日香さん、私が幻の近藤くんと過ごしてる間に、いつの間にか井成さんと宜しくやってるんだからー!」
「用高!お前まさか鳳さんに○○○な幻を見せて、その隙に×××な…ヘブっ!」
「鬼頭さん!レディの隣で自重するです!」
「穂積ー、○○○ってどういう意味?僕わかんないー!」
「こら、蔵間くん。可愛さアピールは男女とも十代が限界だぞ!
鬼頭さんもえっちぃ過ぎる会話は真樹さんに逮捕されちゃいますよ!」
「でも、用高。お前ホントにどうやったんだよ?前半何にも喋ってなかったのに、急に鳳さんと仲良くなりすぎだろ?」
「ええと、明日香さん、説明は君の方からでいいかい?」
と、隣の明日香さんに優しい視線を送る井成さん。
「私のこの声が何よりの証拠よ♪
私は用高が必要なの。それだけ。」
『明日香さんが喋ったー!?』
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「そっかぁ、幻術も使い方次第なんだね。じゃあ、この席には鳥さんの明日香さんが座ってるんだ…。」
「ほら用高、私も一緒に謝ってあげるから、ちゃんとみんなに謝罪しなさい!」