普段は喫茶店の仕事なんて殆どしないで、毎週水曜日にだけ特殊なお客様から「殺人依頼」を請負ってる御子神さんとグラシャ=ラボラスさんです。
ウェイター姿のグラシャ=ラボラスさんにも驚いたけど、狙撃手の御子神さんがケーキを作れるなんてそれ以上の驚きです。
「私からのサプライズプレゼントですよ…。」
グラスを磨きながら小さな声で話す御子神さん。
細いサングラスの為、表情はわからなかったですが、心なし照れているみたいです。
「ケーキ作りは御子神が『まだ』人間である証明だ。
食べてやってくれ、お嬢さん方。
兄さんらも、甘いモンが苦手じゃなかったら食べてくれ。」
御子神さんのケーキが乗った皿を誇らしげにテーブルに並べるグラシャ=ラボラスさんはとても「殺人の悪魔」とは思えない笑顔です。
それは親友を自慢する少年の様にも見えたです。
「あぁ、里見さん。グラシャ=ラボラスさんは双方向に圏外ですよ♪
あの方は大人の女性に興味ない方ですから。」
「そ、それは『大人』に比重があるですか?それとも『女』が問題ですかー?」
あ、悪魔とはどうしてこんなに一筋縄でいかないイケメソが溢れ返ってるですかー!
…確かに少女性愛者は天使とは対極に位置するです…。
それでいて白いマルチーズが正体で、人間に化けるとジョニー・デップ似などといろいろと悪魔過ぎるです。
「美味し~い♪」
「ホントだ~、私達ここでウェイトレスやってるのに、御子神さんがケーキ作るとこなんて見たことないよ~。」
「そりゃ仕方ねぇさ。
御子神のケーキにありつけるのは、ロビン店長が休みの金曜日限定だからな。ロビン店長は毎週金曜日は宝探しに出かけるが、留守番の俺と御子神も『宝を求めて』ケーキを焼くのさ。」

ティラミス

イチゴのムース

フルーツタルト

ショコラケーキ
喫茶ロビンフッドからのお知らせ
※狙撃手兼パティシエ御子神のケーキは金曜日のみの販売となっております。
なお、新規のお客様は水曜日のみ受け付けております。