アイビキ!2~僕と私のお気に入り。 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「キャ~!沙代理ちゃん可愛い!」

「沙代理ちゃん最高~!!」

火曜日の喫茶ロビンフッドはスペシャルライヴの日。

テーブルを片付けて、椅子はカウンターだけにする。

ヴォーカルの沙代理ちゃんとピアノの明日香さんを見たさの為に、たくさんのお客が詰めかける。
オールスタンディングでも直ぐにいっぱいになり、いつしかライヴチケットは入手困難なほど二人は人気者になっていた。

「みなさ~ん、今日は本当にありがとう。
とても可愛いくて、綺麗な女性のお客にもこうやって応援してくださるって、本当に嬉しいです。

種族の壁を越えて音楽で繋がるって、本当に素晴らしいと思います。
まだまだ応援してくださる皆様は妖や妖精の方が殆どですが、いつしか人間界でも大ブレイクしようねって、明日香姐さんと毎日語ってます。
それでね、大ブレイクの足がかりってわけではないんですけど、私達に素敵なユニット名を付けてくれた方達が居るんですよ~!」

お客を相手に楽しく語りかけるヴォーカルの沙代理さん。
ピアノの明日香さんは沙代理の話に笑顔で頷き、観客に微笑みかけるだけだった。

「でね、私も明日香姐さんもその名前気に入って、そのまま貰っちゃうことにしました。
私達のユニット名気になりますかー?」

『気になる~!』

「聞きた~い!」

(ウリエル、さっきから年甲斐もなくはしゃぎ過ぎです!
しかし、今日くらいは無礼講です。妹が楽しんでくれるなら、誘って良かったです。)

「私達のユニット名は『Un★でっど』です!」

その時、二人のウェイターが天井に吊るされた垂れ幕を下ろし、観客に「(祝)命名『Un★でっど』の文字を披露する。」

「いいわー!可愛い!」

「はい、マーメイドの私と、不死鳥の明日香お姐さまに相応しい、しぶとく、打たれ強い名前を頂きましたー!(笑)。
では、この名前に負けないようにこれからも頑張っていきたいです。聞いてください…。」
****

「ラファエル姉さん楽しかったねー。」

「はいです。たまにはこういうのもいいものです。」

ライヴは終わり、他の観客も帰り、私達も店を出ようとした時、露出の激しいステージ衣装から普段着に着替えた沙代理さんに呼び止められた。

「今日は本当にありがとうございました。
店長からお二人の事をお聞きしました。
人間界で刑事とナースの仕事をされてるんですって?
私達憧れます!よろしければもう少しお話を…。」