オーバーフェンス 3~テッペキ!レジェンドストーリー | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「さぁ、着いたぜ。
ドームに行くならこの駅の始発を待てばいい。」

「五月、弥生。じゃあ、ここでお別れね。
ドームコンサート楽しんで来てね。」

私は弟の野球の試合の応援、友人の五月と弥生はアイドルのコンサートの為に寮を抜け出した。

目的が違うから、帰りにまた合流する打ち合わせをするつもりだけど…。

「ねぇ、弥生…。」

「うん、私も…。」

「どうしたの?貴女達あんなに楽しみにしてたじゃない?」

「私達…やっぱりコンサートに行くの止めるわ。
播磨屋のお兄さんに送ってもらってて、そのお兄さんの大切な女性の制止を振り切ってコンサートって気分じゃないのよね…。」

「おいおい、俺の事は気にするなよ。
それに後藤さんはまだ俺の気持ちを知らないんだぜ?
チケットも安くないんだろう?」

「…そうだけど…。大切な弟さんを応援したい、って真理亜の動機に比べたら、私達はちょっとミーハー過ぎたかな?
でも帰って謝るのもシャクだし、私も北条学園野球部の応援に行こうかな?
それに真理亜と一緒に行動した方が楽しいかな~?」

「わかった。
じゃあ、明日の早朝にここに迎えに来る。
朝の学院の配達に間に合わないないといけないからな…。」

「いいえ。迎えは必要ありません。
帰りは歩いて帰ります。」

「ちょっと真理亜それどういうことよ~?帰りは山道が登りになるんだよ?」

「貴女達も最初は自転車を乗り捨てて、帰りは歩きのつもりだったんでしょう。
私は…脱走の罰のつもりで歩くわ。
自己満足だけどね…。」

「じゃあ何でそこまでして寮を抜け出したのよ~?」

「それでも…弟に会いたいのよ…。」

****

「これからどうする?
まだ朝早いし、北条学園も門は閉まってるよ。
カラオケで時間潰す?」

「それよりお腹空いた~。
今日ぐらいは、ファミレスで徹底的にジャンクフード食べた~い!!」

「賛成!」

****
北条学園野球部部室

「やったぁ!背番号16ベンチ入りだぁ!
これも高坂くんのおかげだよ!」

「三好くん、僕は何もしてませんよ。全ては三好くんの努力の賜物…。
しかし、残念ですが三好くんの出番は無いでしょう。
僕が打って、走って、大勝しますから。」

「高坂くんは、一番ライトのスタメンだもんね~。」

「今日の僕は機嫌が悪い。徳川実業も可哀想に…。」

「どしたの?」

「妹が応援に来れないのです。
幼稚園の遠足と重なって」