
は俺に挨拶するなり…。
「男!久しぶりの男からの依頼だー!!」
と叫び出し、いきなり俺に抱きついてきた!
「うわぁ、ゼパルさん落ち着いて!」
ウェイターと御子神って男に取り押さえられ、俺は漸くこの赤いサッカーユニフォームを着た男から引き離された。
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「先ほどは取り乱してしまい申し訳ございません。
改めてご挨拶させて頂きます。
僕はソロモンNo.16ゼパルです。『破局の悪魔』なんて異名は僕は好んでないんですけどね。
あぁ、言っておきますが、僕はゲ○でも○モでもありませんよ!
もう二ヶ月近くも休み無しにヤンデレストーカー女達に付き合わされて、男性からの依頼にホッとしただけです。」
確かにゼパルと名乗るこの男は憔悴し切っていた…。
「君は…『破局の悪魔』ってことは、そちらの御子神さんやマルチーズの様に殺人請負ではなく、『別れさせ屋』として人気の悪魔ってことかい?」
「そうなんだよ!現代女性は自助努力もせずに、他人を陥れることしか頭にない!
しかも、あいつらときたら四六時中、意中の男の愚痴ばかり!
恋敵の女の悪口ならまだしも、そんなに好きな男に不平不満があるなら、僕と契約しなくてもいいのに!」
「あの…つまり、世の女性達が貴方の『破局の魔力』を欲しがって、ゼパルさんは売れっ子の悪魔ということなんですね?」
「おかげさまで彼はウチのNo.1だよ(笑)。
はい、気持ちが滅入った時はハーブティーに限るよ。
カモミールをどうぞ。落ち着くよ。」
マスター自らがゼパルさんにハーブティーを運んできた。
そして俺に彼の紹介を始めた。
「恋を成就させる悪魔は沢山いるけど、契約者じゃなく、第三者同士を結ばせることが出来るのはゼパルをおいて他に居ないよ。
それに彼は女性を不妊にさせたり、不感症にさせたり出来るんだ。正真正銘の悪魔でしょ?」
「バルバトス、いやロビン店長!悪魔はあの女達だよ!あいつらったら、奥さんを不妊にさせて旦那と離婚の原因を作って略奪したり、ライバルの女をわざと醜悪な男と結びつけて蹴落としたり!もううんざりだ!僕は本来、戦場に赴いた男に、メッセージを届けたいという女性の願いから生まれた妖精なのに!身勝手な人間が僕を悪魔に仕立てるから!情愛を操る術は神の祝福に授かる神聖な行為なのに!」