あくまで魔が挿しただけなんだからね!39 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「ウリエルは自爆するウォサゴ(人間化してHN『珊瑚』を名乗る)に巻き込まれながらも、奴の最後の言葉を聞いて私に伝えたです。『我はアガレスの分身。何度でも死ねる』と。」

ナースに人間化した天使ラファエルさんは淡々と説明した。

それはサタンとしては「弟」、ルシファーとしては「妹」として「仇討ち」をお願いしているようだった。

「ねぇ、つまりそのアガレスって悪魔のボスを倒さない限り、『珊瑚』を名乗る悪魔は何度でも復活して、あたしみたいなネットでの契約被害者が出てくるってことでしょう?
佐田くんが大魔王のサタンとして本領発揮したら簡単な話じゃないの?」

久美子は最もなことを言った。
私もそう思う。
人間としての佐田くんは色々とアレな所もあるけど、大魔王サタンってRPGでは無敵のラスボスなんだから、そんなアガレスなんて聞いたこともない悪魔さんなんて楽勝じゃない?しかも天使のラファエルさんも協力してくれるんでしょう?

と、私と久美子もおそらく同じことを考えてたのに、ラファエルことナースの里見さんと佐田くんは申し合わせた様に沈痛な面持ちだった。
それは傍に佇むバティンさん(彼が黒いバイクや鴉だったのね)や、会話を聞きながら治療を続けるレラジェさんも同じだった。

何をそこまで…と思ったら突然、佐田くんが私の両手を握り頭を下げて言った。

「奈々子さん!お願いだ!
余が人間界に来た当初の動機とは異なるが、結果的に貴女の力が必要だ!

佐田星明として、大魔王サタンとして、そして余の中に眠るルシファーの魂に賭けて、貴女の力が必要なのだ!」

「私からもお願いするです!
ロストファイブの目的は人間化したサタンの殺害して魔界を掌握することか、地上を混乱に陥れることか、もしくはその両方かはわからないです!
ただ…今は私達アークエンジェル以外の『天上界』は敵なのです!ウリエルが離脱した今、一人でも強い仲間が欲しいです。」

「な、何で悪魔同士の争いで天上界が敵なのですか?まさかアガレスは神様に命令されてるんですか?」

「そうではないです。
アガレスは今、ナチスを煽動した罪で『天界にある地獄』で服役中です。
しかし、服役中の囚人を、上層部の許可なく殺害は出来ないです。」

「そんな…。」

「それが天界です。
新たに再逮捕して裁判を待つ間にまた犠牲者が出るです。
だから私達だけで天界に討って出るには、ルシファーの復活が不可欠なのです