あくまで魔が挿しただけなんだからね!34 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

12月29日 昼
聖ヨハネ病院

「急患です!マンションの爆発火災に巻き込まれた警察官が多数運ばれてくるです!
みんな落ち着いて私の指示に従うです!
マキ!しっかりするです。まさか貴女が居ながら…。
私が!私が貴女を必ず助けるです!」

激しい火傷と爆風での破片の裂傷が痛々しい警察官の宇都宮真樹こと天使ウリエル。

その彼女を看護するのも里見愛こと天使ラファエルだった。

「アイちゃんごめんね~、私またドジッちゃった…。」

「マキ、喋るなです!傷に響くです!いくら天使が変身した姿でも、人間としての生命の灯が消えれば、『死』を意味するです!」

「…よ。あいつは死んだけど死んでない…。」

「それはウォサゴのことですか?先に運ばれたウォサゴは既に亡くなってたです。
マキの勇敢さのおかげです。」

「違うの…まだ終わりじゃない…。ウォサゴは何度でも死ねる。」

「マキ!しっかりするです。
誰か!もっと、もっと人手を!」

「大天使ラファエル様!
私は佐田星明ことサタン様の使い、バティンです!
中津川久美子様の見舞いに来れば、まさかウリエル様が…。
私が応援を呼んでくるまで持ちこたえてくださいませ!」

「『瞬速』のバティンさん、今は悪魔でも頼りにしてるです!
マキ…ウリエルは大切な妹です!」

「…承知しました。」

****

「落ち着かない様子ね、佐田くん?
ねぇ、私に力になれることがあったら言って?」

「いえ、大丈夫です。
休憩を…。」

逃げるように事務所に入ったが…。

奈々子殿。余は一体何を言えばいいのだろうか? 一体何を黙っているべきなのだろうか?
久美子殿の妬みをどこまで…。

「バティンか?」

事務所の窓を叩く一匹の鴉。
緊急を告げるバティンの変身した姿だとわかった。

「…サタン様。ウォサゴがウリエル様を巻き込み爆死しました。
ウリエル様は危険な状態です。
早く…。」

「何ということだ…。やはり罠か…!昨夜無理矢理にでも制止を進言するべきだった!!」

「悔やんでる暇はありません。
早く…。」

「わかっておる!来れソロモンNo.14『傷を深め、傷を治す悪魔』レラジェよ!」

「お呼びに預かり光栄です、サタン様。」

「バティン、早くレラジェを病院に!」

「御意。それと久美子様の意識が戻りました。奈々子様と二人で来ることを進言致します。」

それは予定より早い「真実」を告げる時だった。続