魔界は元から混沌としていたが、ルシファーの軍勢が堕ちてきてから余計に混乱した。
そもそも2552年前には「魔界」ではなく、「異界」と誰もが呼んでいた。
悪魔、多神教の神、妖怪、妖精なんて区別は天界とキリスト教圏の人間が分別しただけである。
人間界はヤハウェが造ったが、異界は元からあるのだ。
異界の始まりは誰も知らない。
それはどの教義でさえ、「あのお方」と「あの方の出自」を誰も定義出来ないように。
※あくまでメモなんだからね!
天界出身のサタンに取ってはヤハウェはただの上司であり、サタンもルシファーも「神」をとても信心深く信じています。
ここでの「神」は「意志持たぬ非人格神」です。
高位天使の中には、ヤハウェへの接待に精を出すばかりで、「神」を信じない天使もいます。
天界に棲む多神教の神(ゼウスやブラフマンやトール等)も「神」を信じる者と信じない者がいます。
天界と異界の間にヤハウェが暇つぶしに人間界を造ったので、人間界の魂のリサイクルは天界の仕事です。
天界には死後の魂を管理する「輪廻課」や「啓示課」「極楽 課」があり、生前の魂を裁く「審判課」があります。審判課には有名な「閻魔」や「アヌビス神」が担当してます。
ルシファーの罷免で天界は安定し、潤沢な生活を送れました。
その機に乗じて、異界は魔界と称され、人間界にのみ存在する者は妖精、両方行き来出来るのは妖怪、魔界に棲むのは悪魔と、勝手に先住権を脅かしました。
困ったのはサタンです。
反対勢力もまだ多く、自軍の士気も纏まらぬのに、(そもそもサタンが後から魔界に来たよそ者)長期化する戦乱により慢性的な資金不足になりました。
かつてはソロモンの様な優良顧客が居ましたが、キリスト教により、「召喚は異端で無神論者」と呼ばれ、弾圧は強まり、仕事がない魔界の住人は苦しみました。
苦渋の選択でサタンは天使ガブリエルを頼りました。
天界に悪魔の仕事の斡旋を嘆願したのです。
天界は天界で悩みがありました。人間が増え、清らかな魂が増えると同時に清らかでない魂も増えました。
天界の中には「死後の人間にはもっと懲罰を与えないと駄目だ!慈悲や啓示や輪廻の操作の反省だけでは生温い。」
またも天界の分裂を怖れたガブリエルはサタンと意見が一致しました。
それは天界の公共事業でした。
そこには魔界から天界の施設に派遣労働へと向かう悪魔の姿がありました。
「地獄」の誕生です。続