「サタン様、この時期の奈々子んの書き込みに注目!注目!」
朝からパソコン画面に向かいっぱなしだ。
おかげで操作にも慣れて来た頃、パイモンがとある書き込みに注意して読めと言った。
時期は9月下旬。
丁度、余と奈々子殿が出会った時だが…。
ナナ『モテ期来たー!? 誠実で情熱的な年下と、剛直で頼れる年上。二人とも素敵過ぎー!!」
ファン『ナナちゃん可愛いから今まで一人なのが不思議なくらいだよ。
どっちがナナちゃんの彼氏になっても、俺はナナちゃんを応援してるよ。』
こ、これは…。
「サタン様、良かったですね。
スタートラインはミカエル様と差はなかったみたいです。」
「アスモデウス、余はミカエル殿に勝つことが目的ではない!」
「強がってるサタン様大好き!パイモンはサタン様の魅力知ってる!奈々子に見る目ないだけ。」
パイモンの熱い想いは嬉しいが…それよりも…。
エターナルビューティー『地味子が調子乗ってんじゃないわよ!
要らないなら一人あたしにくれない?』
今までは好意的な書き込みばかりだったが…?
「サタン様、この言い回しに心当たりないか?」
「エターナルビューティーなる人物に心辺りはない。」
「サタン様はネットの匿名性をまだわかってないですぅ。
私のファンにもしつこいのがたまに居ますが、相手にせずに削除するに限るです。」
「待て、アスモデウスにパイモンよ。『要らないならあたしにくれない?』と言う言い方はまさか…?」
エターナル=永久。ビューティー=美しい。
まさか…?
『中傷コメントは久美子さん!』
全員分の昼ご飯を調理してたベルフェゴールまで手を止めて、声を上げる。
「だが、この後の書き込みときたらどうだ…。ファン同士で汚い罵り合い続くばかりだ!久美子殿と奈々子殿への侮辱!許さん!こ奴等の所在地は?」
「それがネットの匿名性。一義的な正義を振りかざして、相手を集団で炎上させる。中傷した久美子も悪いけど、ネットの中だけ女王様気取りの奈々子に苛立つ気持ちもパイモンわかる。」
そして暫くして落ち着いたころに…。
『ナナちゃんとエターナルビューティーさんも、ファン1号さんも落ち着いたみたいですね。
ネットでは小さな行き違いがトラブルになることがあります。
大切なのは相手を想う気持ちと、神様に愛されているという自覚です。
みんなで祈りましょう。
興味ある方は下記アドレスへ。 珊瑚』
続